●月末に2冊●『マダム・エドワルダ/目玉の話』『目薬αで殺菌します』

2008年9月30日 00:01:04

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窓を開けて寝ていたら、朝方寒くて目が覚めた。
時間を見ようと携帯電話を見ると、今日は、9月29日。
9月29日。思い出した。遠藤周作さんの命日だ。
よく覚えている。作曲した舞台音楽を三木健氏とレコーディングしている最中だった。
下北沢でそのニュースを知った。
鞄の中にたくさんの譜面と氏の『海と毒薬』が入っていた。だからよく覚えている。
確か9月末が作曲の締め切りだったんだ。
それで、数日前から泊り込みで録音をしていた。
この日には大体の目処がついていたはずだ。
遠藤周作氏の死を知った後、三木健氏と下北沢で真夜中牛丼を食べた。
何年の出来事だったのか。思い出そうといろんなファクタを組み合わせてみたが、
前後の記憶が錯綜してうまくいかない。
今、調べてみると、1996年。12年前だ。
とすると、アプラオスに脚本で参加する一年前か。
確かに作曲ばかりしていたな。音響ばかりをしていた。その頃だ。
そういえば、本気になってピアノの練習をしていた頃。
年下の先生について、毎週真面目にレッスンを受けていた。
その先生は結婚されてイギリスに移住した。

自分は、曲を書き譜面に起こす。
三木氏は、サンプリングを担当していた。
録音の時には、自分は鍵盤を弾き、三木氏は器用にいろんなデジタル機器を操作した。
あれから12年。

朝寒くて目が覚めて、今日行うことを考えた。
これまでの40年以上が、今日一日の行動になんのサンプルにもならないことを
やっぱり思う。

寒いと感じて、少し厚着をして街に出た。

『マダム・エドワルダ/目玉の話』著/バタイユ_訳/中条省平
『目薬αで殺菌します』森博嗣

昨日読んだ2冊。
デビュー作の衝撃から読み続けてきた森作品。
なんだかぼやけてきた森さんの意思。惰性と編集者の顔のほうが見える最近の作品。
けれども、やけくそで読んだ。
1時間半で読んだ。やけくそで期待値が低かったからなのか、意外に面白かった。
なんだか自分が今書いている脚本とリンクする部分もあった。
(あれ?同じ思考方向だ)と、何箇所も思った。
けど、

伏線の張り方の雑さが目立つ。トリック伏線が弱い。
これじゃ、ルール違反じゃない?と思ってしまう。
だから、最後のほうの謎解きで「えーーーー」と思ってしまう。
「そんなんだったらさー、もうちょっと振っとこうよ」と。
とはいえ、

意外に楽しめた1時間半。

そして、名作が一冊。こういうのは好き嫌いがあるのかな。
原文で読むべき本だ。日本語じゃなじまない。
訳者は大変だろうな。ぎりぎりの形容・修辞で訳してある。
けれども雰囲気は充分に伝わってくる。
「新訳古典」というシリーズ。
確かにこれまでに出されたものよりは数倍読みやすい。

んー、原文で読みたいな。
言葉を知りたい、と思う。いろんな言語を理解したい。
日本語さえ自由にならないけれどもそう思う。言語を知るということは、やっぱり武器。
ロシア語、フランス語が当面の目標。その次にドイツ語かな。

間に合うかな。