●4の言葉という言葉●『ジャム詩集』『あの山越えて』【DVD『冬の華』】『わが妹人生』『銀河蒼茫』

2008年10月20日 22:36:01

急激な体の不調。ぽんこつの体。ぽんこつの頭。
頭が痛い。いらつく。この頭痛にいらつく。こんな体にいらつく。
頭が痛くて頭にきて一番強い薬をがりがりとやった。
薬を味わった。薬の味しかしない。
すぐに効け!このやろー!ともう一錠やった。

布団にひっくり返る。

『ジャム詩集』尾崎喜八訳
『あの山越えて』種田山頭火・
【DVD『冬の華』】
『わが妹人生』ボリース・パステルナーク

頭が痛くなると目が悪くなる。
目の焦点が短周期的に回る。目が回っているのか、世界が回っているのか。
言葉がほしい。

諷花の歌詞を読む。彼女も言葉を探し続けている。
きっと、

諷花のなかにぐるぐると渦巻く「その想念」を「その感情」を
一言で歌い得たら、
きっと、

彼女は、死ぬだろう。笑って、「幸せな人生」だと、死ぬだろう。
その一言。一言が欲しくて、諷花には歌があった。

言葉がほしい。ただそれだけだ。
一言なんだ。たった一言。
それが言いたくて、何万もの文字を書く一本の脚本。
稽古場で言葉を尽くしても尽くしても伝わらないのは、
このぽんこつ頭のせいだ。
いつも申し訳なく思う。うまく言えない。言えない。
伝えたいことは目の前にあるのに、
手を尽くして脚本を書いて言葉を並べ立てているのに、
それが、完全に伝えられない。
完璧を伝えられたらいいのに。そしたらどんなにかいいか。
俳優に申し訳なく思いながら、どもりながら噛みながらつっかえながら
言葉を探す。

言葉が欲しいと思う。

ただそれだけなんだ。

ぽんこつ頭め!

ジャムを久しぶりに開いた。

お前の青空の声を上げよ、おお洗礼の鐘よ!
お前の涙をとおして歌え!

詩人が神にむかって近づくにつれて
そして彼の辿らなければならない道が
しだいしだいに凸凹の度を加えるにつれて、
失望はかんじながらもなお平静なその心は
重苦しい休暇の日々に響く接吻の音にほほえむ

昔はわからなかったいろんなことが、今日少し分かった気がした。
ほほえむ、という響きに泣きたくなった今日は10月20日。

15年前、自決された野村秋介さんの命日。
毎年のことだけれども、一冊を手にする。
目を閉じて、何が見えるか、10月20日を見る。

写真

『銀河蒼茫』野村秋介


俺に是非を説くな激しき雪が好き

母恋ひの芙蓉は枯れてしまひけり

ふと馬鹿な俺だと思ふ 枯葉ふる

しかし俺はひたすらにゆく冬銀河

いつどこで死ぬのも同じ 雪また雪

さくら散るいまも三島の死の光芒

憂国忌 風が鞭振る天に地に

どの遺書も母への言葉 冬銀河

強い薬は、効きすぎる。
頭以上に、体がぽんこつになる。

今日は、10月20日。