●10冊●『人間失格』『国家の干城、民族の堡塁』『三浦和義 敗れざる者たち』『ヴィヨンの妻』『グッド・バイ』『斜陽』『春琴抄』『痴人の愛』『声の網』『青の時代』
2008年12月12日 21:45:08
やっぱり本を読む。
読みながら少しずつ均衡を取り戻していく。
そういえば、体重も取り戻してきた。
平均体重は、62kg。この体重で大体調子がいい。
体が重くもなく、力もでる体重。
公演終了後に測ってみると、56kg。6kgも落ちてたわけだ。
少しずつ食べた。胃が小さくなっていたのか、それとも
食べなくても良い体に進化中だからか、量が進まなかった。
先日、ショックを与えてみるために、チキンカツカレーを大盛りで食べてみた。
そのショックが効いたのか、食欲を取り戻した。
きちんと食べる。もりもり食べる。
口内炎も治った。影も形もない。野菜も肉も食べた。
魚もお米も食べた。
少しずつ体重が戻ってきている。
食べなくても良い体にはなかなか進化しない。
そして、やっぱり本を読む。
先日、鈴木さんと話して驚愕の事実が発覚した。
読書好きな自分だけに驚愕であって、他には別にそうでもなさそうなので、
特筆はしない。
その鈴木さんから今日、2冊の本が送られてきた。
ぱらぱらと読み始めた。面白い。こんな本を知らなかった。
鈴木さんは、これを読んできたのか。
最終ページを見てみると、全40巻・・・
今年の読書。年半ばに上方修正した500冊。
それは、越えそうだ。500冊か。読んだなあ。
来年は、冊数ではなく、ページ数でカウントしてみようかな、と思案中。
誰に対して、というわけではないけれど、公平さを保つために。
例えば、月に1万ページ。年間12万ページ。
300ページの本なら、月に33冊。年間400冊くらいの計算。
これなら公平だ。
『人間失格』太宰治
『国家の干城、民族の堡塁』三浦重周
『三浦和義 敗れざる者たち』三浦和義
『ヴィヨンの妻』太宰治
『グッド・バイ』太宰治
『斜陽』太宰治
『春琴抄』谷崎潤一郎
『痴人の愛』谷崎潤一郎
『声の網』星新一
『青の時代』三島由紀夫
公演を終えて10冊読んだ。ほとんどが読み直した本。
そんな精神状態だったのだろう。
公演中に、鈴木さんから頂いた三浦重周と三浦和義を読んだ。
公演を終えて真っ先に手にしたのは、『人間失格』
何冊も太宰を読んだ。
やっぱりここが原点なんだ。罪の告白。
今までしてきた悪事の一つ一つを数え上げていき、読んだ。
やっぱり太宰治が原点なんだ。
何十回も読んできた『人間失格』
最後に読んだのは多分一年前くらいじゃないか。違うかな。
そのときに、
『人間失格』の全部を読んだ、と思った。
読むべき何かは読みつくした、と思った。
けれども違った。
大人にならなければわかならない事事があるんだな。
こんな心じゃないわからない事事があるんだな。
太宰を読んだ。そして、谷崎の『春琴抄』
この一冊も久しぶりだ。
なぜか無性に読みたくて読んだ。
『スーザンナ・マルガレータ・ブラント』という一本の脚本と通じる恋を感じていたのかもしれない。
美の昇華が恐怖を生み出す様をまざまざと見た。
言葉の美しさがその美しさ故に自己を喪失していく様を見た。
谷崎の言葉は美しい、と言われる。
けれども、本当はそうじゃないんじゃないかな。
谷崎は言葉を恐れていた。それは、畏怖ではなく、恐怖としての恐れ。
あの美しい言葉の列は、谷崎の震えだ。
谷崎は怖いんだ。
多分、あの一言から逃げるために書き続けてきたんだ。
人類史上誰も言い得なかったあの一言。
言葉を恐怖し、逃げながら、彼は書いた。
だから、言葉に整然美があるんだ。
美しい、谷崎の言葉。
そして、その物語の精緻。
『春琴抄』を読んだ。
『人間失格』を読んだ。