●1169●『黒馬を見たり・サヴィンコフの告白』『皇室へのソボクなギモン』『たとえば、銀河がどら焼きだったら?』『一年は、なぜ年々速くなるのか』『あなたのTシャツはどこから来たのか?』

2009年2月6日 21:53:24

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一日のうちほとんどを考えている。脚本のことばかり考えている。
物語は決まっているのに、そこに人間が立ち上がらない。

これまでに、30本近くの脚本を書いてきて、少しずつ証明を進めてきた。
一本の脚本が、一行の証明となり、次の段階へと進む。
そんなことを実感しながら、書いてきた。
何を証明したいのか。そりゃもちろん一つ。

言葉なんか大嫌い。言葉なんか信用してないぞ。

その証明の途上。あと数行で、



と、うてるだろう。

何十本もの脚本を並べ立てて、
ぼくは、言葉なんか大嫌い、と。

もしかしたら簡単なのかもしれない。
二次方程式を解くのに、その解の公式を知っていれば、簡単だ。
それと同じなのかもしれない。
ぼくと言葉に関する方程式に、解の公式があるのかもしれない。
それをぼくが知らないだけかもしれない。んー

ぼくは言葉が嫌いだ、という仮説にたいして、
それを証明するために、どんな関数を用いれば、どんな方程式を立てればいいのか、
ずっとわからなかったけど、

最近ようやく、わかった。
あれ? ってことは、まだ証明は始まったばかりなのか?

仕事で読む本というのがある。
最近、ロシア付いていたけれど、そんな本もたくさん読む。仕事でも本を読む。
そこには、ぼくの知らない言葉がたくさんある。
たくさんあって、ますます言葉がなんだかわからなくなり、
仮説が確信に実感され、困ってしまう。
やっぱり、証明は始まったばかりか。

『黒馬を見たり・サヴィンコフの告白』著/ロープシン_訳/川崎浹(300)
『皇室へのソボクなギモン』辛酸なめ子・竹田恒泰(227)
『たとえば、銀河がどら焼きだったら?』布施哲治(135)
『一年は、なぜ年々速くなるのか』竹内薫(176)
『あなたのTシャツはどこから来たのか?』著/ピエトラ リボリ訳/雨宮寛・今井章子(331)

見沢さんが獄中で読んでいた本がここにある。
レーニン、スターリン、トロツキー、ロシア革命。そんなキーワードの本たち。
先日、深笛義也さんとお話をしたとき、
「彼は、ボルシェビキが好きだったんですよ」と。

なるほど、ボルシェビキか。見沢さん。分かりやすいですね。
レーニン率いるボルシェビキ、プレハノフ率いるメンシェビキ、そして、エスエル。
見沢さんが、ボルシェビキに傾注するのが良く分かる。
ぼくも、そこにロマンを感じる。そう思う。
結果を思想実験していくよりも、その成長していく過程こそが、「調律」であり、
わずかに息見える思考の果ての「帝国」

やっぱりそうだ。見沢さんが夢見たのは、そこなんだ。

レーニン以上のロマンチスト。
プレハノフ以上のリアリスト。
その二つの目が調律されるときに、一つの人格がユートピアを見る。

見沢さんの本を何冊も読んだ。
そして、不意に読みたくなり、段ボールから引っ張り出してきたのは、
「黒馬を見たり」
その小説よりも、巻末に掲載されているサヴィンコフ裁判でのサヴィンコフの証言を確かめたかった。
ぼくが読みたかった以上の彼が、そこにはやっぱりあった。

そして、もう一冊。
サヴィンコフと一緒の段ボールに入っていた「皇室へのソボクなギモン」
読み直してみたけれど、これは良書だ。名著だ。
これを小学校の授業に取り入れるべきだ。わかりやすいし、正確。
続きを出せ! と辛酸なめ子女史に念を送る。

脚本を一行も書けないのに、こうして本は読む。
脚本は一言も書けないのに、こうして高木ごっこは書く。
1000日の約束なんてどうでもいいじゃないか、と思うけれども、今日で、783日。
あと7ヶ月。