『乳房』 池波正太郎
2006年8月30日 17:36:41
社会性が欠如している友人T君。
実は、金銭感覚も欠如しています。
しかし、社会性も金銭感覚も欠如しているとはいえ、
友人T君、有益な情報と正しい認識を秘めています。
もしかしたら、100年後のデ・ファクト・スタンダードな
人格かもしれないと、
ふと、思いました。
そして、東京に一雨。
雨の匂いを感じると、読みます。
池波さん。
『乳房』
池波正太郎
本書は3回目かな?
物語らしい物語。
人がきちんと他者に対して、
物を語るとこうなる、という
見本のようなお話。
情景が目の前に浮かび上がり、
登場人物に感情が
不意に
リンクする。
「『まるで不作の生大根をかじっているようだ』
さんざんにもてあそばれた挙句、
罵られ捨てられたお松は、
偶然出会ったその男、
煙管職人の勘蔵を絞殺してしまった。
数奇な運命を辿るお松を評して、
長谷川平蔵は『男にはない乳房が女を強くするのだ』というが…。
鬼平犯科帳番外篇」
すっと、体に染み込む快感。
読書という一つの文化を100年後まで継承できる、一冊。
さて、もしかしたら100年後スタンダードの友人T君。
彼と、一年後に結果がわかる賭けをしました!
さて、自分が勝つか、彼が勝つか!