『殺しの四人―仕掛人藤枝梅安(1)』 池波 正太郎

2006年9月6日 12:28:29

写真

昨夜の望みどおり、東京は雨。
最近はケージで眠らず、
室内に放してあるコトバにいたずらされながらの睡眠で
寝不足。
コトバの奴、自分が寝ているところにやってきて、
足はつつくは、
髪の毛をつつくは、
果ては頭の上に着地するはで・・・・

東京は、雨。

平成18年9月6日、
皇紀2666年。

紀子様が親王殿下をご出産されました。

東京は、雨。

『殺しの四人―仕掛人藤枝梅安〈1〉』
池波 正太郎

池波さんです。
何ともいえない清浄な空気感。
お金で人殺しを請け負う稼業の梅安。
血を流し、
過去を背負い、
そして、血を流し。

そんな、情念が溢れる物語なのですが、
そこに漂う透明な空気。
池波さんの筆致によるのでしょう。
簡素な単語でその情景を

ぴたり、と

表現しきってしまう。

一応こんな物語ね。

「品川台町に住む鍼医師・藤枝梅安。
表の顔は名医だが、
その実、金次第で
「世の中に生かしておいては、ためにならぬやつ」を
闇から闇へ葬る仕掛人であった。
冷酷な仕掛人でありながらも、
人間味溢れる梅安と相棒の彦次郎の活躍を痛快に描く。
「鬼平犯科帳」「剣客商売」と並び称される傑作シリーズ第一弾。」

簡単な言葉の連続なので
一気に読みきってしまうのだけれども、
その圧倒的な印象は薄れることが無く
麻薬のように、
浸透する。

芥子の花。

美しく咲いて、
人目につき、
しかし、

精製されたそれは、
阿片となり、
人にあやかしとまやかしの幽玄に誘い込む。

さて、赤坂にでもお出かけしようかな。

東京は、雨。