『近代思想のめざめ』【世界思想教養全集1】
2010年3月25日 16:43:04
この日が来たか、ぼくが行こう、と青い錠剤を噛み砕き朝、思った。
なんだ、雨じゃないか、なるほど、こんな日なら何度も知ってる。
ぼくの知ってる何千日の雨も、今日の雨の解決を教えてはくれない。
そりゃそうだ。過ぎていったくそったれ過去なんか、なんの教えも教えはしない。
過ぎた時間に教訓を得るのは、すでにそこにある一冊の書物を読むことと同じだ。
いいことなんかなにも生み出されはしない、と薄いピンクの錠剤をごくりと朝。
こんな雨なんかすぐにやませてやる。
よく見ると情けない顔をした雨じゃないか。物の数でもねぇ。
さあ、行くか。
ぼくには必殺技があるんだ。
『近代思想のめざめ』【世界思想教養全集1】
『筑摩・日本思想大系』を読み終えて、世界の名著を読み進めながら、
新しい全集に手をつけた。
『世界思想教養全集』だ。全24巻。今年中には読み終えるつもりだ。
世界思想教養全集
1、近代思想のめざめ
2、フランス啓蒙思想
3、カントの思想
4、ヘーゲルの思想
5、イギリスの近代経済思想
6、イギリスの近代政治思想
7、アメリカの建国思想
8、悲劇の思想
9、近代の文芸思想
10、実証の思想
11、マルクスの政治思想
12、マルクスの経済思想
13、ロシア革命の思想
14、プラグマティズム
15、現代アメリカの思想
16、現代科学思想
17、イギリスの社会主義思想
18、ウェーバーの思想
19、ドイツの社会思想
20、フロイトの思想
21、現代キリスト教の思想
22、実存の哲学
23、現代フランスの思想
24、フランス実存主義
なるほどと思う編集だ。
24巻でまさに世界思想史を概観しようという試みだろう。
この中に何が収録されているか、まだ精査していないけれど、
これまでに読んできたものがたくさんあるだろう。
実際、第一巻のモンテーニュ、デカルト、パスカルはすでに読んでいた。
デカルト「方法序説」は三回目じゃないかな。「パンセ」もそうだ。
フランス・ドイツ・イギリス・アメリカと進んでいくようだ。
もう一つのラインが革命から民主か。そして、哲学ではストアから実証、実存という概観。
なるほど、わかりやすそうだ。
第8巻「悲劇の思想」、第13巻「ロシア革命の思想」、第14巻「プラグマティズム」は楽しみだ。
第1巻を読み終えた。読みやすい。概説もわかりやすい。まさに入門全集だ。
読み終えて、物足らなくて、ミシュレの続きを読んだ。
ミシュレを閉じて、雨をやっつけるために、白い錠剤をのんだ。
『近代思想のめざめ』【世界思想教養全集1】
概説/小場瀬卓三
モンテーニュ「随想録」関根秀雄 訳
デカルト「方法序説」小場瀬卓三 訳
パスカル「パンセ」松浪信三郎 訳