『交響劇第二番嬰イ短調』という一つの演劇という形

2010年11月22日 12:05:50

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公演を終えて一週間か。
体がぶっ壊れた。疲労の限界値が上がっていることには気付いていた。
例えば、三年前の「天皇ごっこ〜母と息子の囚人狂時代〜」と比べて、
疲労に対する耐性がかなり上にあることに、今回気付いた。

けれども肉体の経年劣化が思った以上に進んでいた、ということだ。
ただそれだけなのだけれども、現象として体の破損という目に見える形が現れた。
そうだ、まさに破損損傷。

バイクなら、パーツを取り替えたり、油をさしたり、オイルを交換したり、
そんなことを丁寧に施せばすぐによみがえる。
けれども、人間の体は右から左にそうできるかというと、そういうわけにはいかない。

確かに、

パーツを取り替えることはできる。
あちこちに油をさすこともできる。
古いオイルを抜いて新しいオイルをいれることもできる。

でも、すぐに『復活』という結果が出るようには、できていないらしい。
なんて不便な肉体だ。

公演が終わって一週間。
ぶっ壊れた体を引き摺りながら、だらだらと読書を続け、数ミリ単位の虚構を積み上げていた。

数ミリ単位の虚構はゲシュタルトを構築するに充分だった。
全て、見えた。

驚くほど何もかもが見えた。
クリアだ。
体がぶっ壊れた替りに、ある種の透視能力を得たのかもしれない。
ありがた迷惑だが。

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劇評をいただきました


早見慶子さん吉本千穂さん鈴木邦男さん