音響、という仕事
2006年11月20日 01:42:55
写真は、
寺山修司作「田園に死す」の舞台を
作っているところ。
上演するために、
劇場にはいります。
そこは、
真っ暗闇のただの箱。
照明を吊っていき、
スピーカーを仕込み、
舞台を一から作っていき、
色を塗り、
俳優は、衣装を着て。
誰一人が欠けても、
作品が出来ません。
自分は、音響という仕事もしています。
数台のデッキとミキサー卓。
10数本のフェーダーを全身で操り、
舞台上の俳優と同じように呼吸し、
同じようにセリフを呟き、
全神経を目と耳に集中し、
2時間の舞台、ミキサーから指が離れることは、ありません。
俳優の一瞬の顔に指は反応し、
俳優の一言のセリフに反応し、
俳優の視線に反応し、
俳優の首の角度に、次の一歩に、その日の声に・・・
感じたままの操作。
間違いも正解もない、やり直しの出来ない時間を操る。