『プラトン 』【世界の名著6】・『レヴィナスと愛の現象学』『存在の彼方ヘ』
2011年7月14日 20:39:35
『世界の名著』を今年中に読破しようと年初から計画的に読み進めてきたけれども、
ここにきて、「全集を読むことの面白さ」にあらためて気が付いた。
先日読んだ、モンテーニュの「エセー」。
それを読んでいるときに、頭の中が次のギアに入ったことを感じた。
(なんだ、まだローだったのか)
(ようやく、セカンドに入ったんだ)
(ぼくのエンジンは何速まであるんだろう)
確かに感じた。
感じたことのないリンク感。目の覚めるような言葉の煌き。
驚きと共に立ち上がる反証と例証。内容以上に絡みついてくる日常と毎日。
そして、『プラトン』
半分以上は、もちろん読んだことのあるものだ。
けれども、読む。セカンド・ギアに入ったぼくの読書エンジンは、読む。
『世界の名著』全81巻。
何年もかかってきたけれども、ようやく読破できそうだ。
あと数か月。9合目あたりまでは登って来た。こんなところにベースは置かない。
あとは、一気に登るだけだ。
そして、こんな話ができる人がいたら楽しいのに、と不意に思った。
『プラトン 』【世界の名著6】
『レヴィナスと愛の現象学』内田樹
『存在の彼方ヘ』エマニュエル・レヴィナス
昔を懐かしんで、「読書会」でも開催してみるか。
月一回、一年で一冊を皆で読み、討論を行う。そんな読書会は今はもうはやらないのか?
「読書会」か。いいな。一つやってみようか。
とはいえ、参加者がいないんじゃ、一人でいつもの読書だ。
さてさて、参加者はいるのだろうか。
テキストは、何にするかな。
どんな討論になるだろうか。
そんな場所なら、読書の話ができるかもしれない。
そんな場所なら、案外本気で話すことができるかもしれない。
そんな場所なら、逃げを打たずに話すことができるかもしれない。
そういえば、先日の稽古場ではしゃべりっぱなしだった。
「本読みをやろう!」と始めたその日の稽古。
軽く解説をしながらさらっと進めようと思っていたのだけれども、
一つの単語を解説しようとしたら、その背景、その来し方、その繋がりなど
話さねばならないことは多岐に亘り、10数ページを解説するのに、丸一日かかった。
解説しながら、劇団員の質問や意見やを聞き、反証したり例証したり。
丸一日話し続け、あれっ? と思った。
脚本には全て書いてあるはずなのに、なぜこうした解説をしているのだろうか、と。
解説せねばわからない必然的な理由は、どこにあったのだろうか、と。
もし、
その解説全てを書きこまねばならないとしたら、
二時間の演劇に、原稿用紙3000枚は、必要だろう。
そして、
ぼくの声の速度と脚本に書かれている言葉の速度の違いを計測した。
『プラトン 』【世界の名著6】
責任編集/田中美知太郎
プラトン
「リュシス」生島幹三 訳
「饗宴」鈴木照雄 訳
「メネクセノス」加来彰俊 訳
「ゴルギアス」藤沢令夫 訳
「ソクラテスの弁明」田中美知太郎 訳
「クリトン」田中美知太郎 訳
「パイドン」池田美恵 訳
「クレイトポン」田中美知太郎 訳