見沢知廉『背徳の方程式』
2011年7月28日 22:14:34
見沢知廉『背徳の方程式─MとSの磁力』獄中作品集
『天皇ごっこ』で衝撃のデビューを飾り、
46歳で自殺した鬼才の、獄中で書かれた未発表・初期作品集
遺品から発見された、未発表原稿。
「主観的な真実」を信じ抜いた 作家の原点。
【収録作品】
『背徳の方程式─MとSの磁力』
バブル経済に浮かれる時代の外務省キャリアの一家を主人公に、
サディズムとマゾヒズム、価値の変換、両極の同位性を追求した傑作。
リアリズムの極致とファンタジーが交錯する。
『人形―暗さの完成』
若者の偏執的な愛情を描く。
三次元から二次元へのスライドと狂気。
『七八年の神話』
一九七八年三月二十六日の成田空港開港阻止決戦、
三里塚闘争をユーモラスに描く。
生き生きと描写される新左翼活動家たちの闘争は、まさに現代の神話。
『獄中十二年』
野村秋介と見沢はともに千葉刑務所に十二年収監されていた。
野村と自分とを重ね合わせた、自伝的作品。