中川右介さんの『眼』
2011年9月18日 11:07:18
『クラシックジャーナル044』が届いた。
精悍な顔立ち、クールな衝撃。『特集は、ピアニスト。』
頭から読んでいく。クラッシック専門書、と言えば、確かにそうだ。
同時に軽妙な音楽読み物であり、音楽史概略であり、人物評伝でもある。
だから困ってしまうのだ。専門分野に分け入ったかと思うと、
有象無象が跋扈する音楽史の闇を垣間見せたり、
悲しくも可笑しい作曲家や演奏家の素顔が覗いたり、
大きな大きな歴史の歪みや戦争や革命が顔を出したり、
面白いんだ。困ってしまうほど、面白いんだ。
もちろん、ぼくがクラッシックに興味が向かっている、ということも当然ある。
それは、そうだが、そんな個人的な立ち位置以外の場所で面白いんだ。
これを読んでクラッシックファンが増えないはずがない。
読み進めながら、欲しいCDをメモしていく。
あれも聞きたい、これも聞きたい、あれも欲しい、これもそれも、と。
困ったもんだ。明日は新宿や池袋のCD屋を回ることになりそうだ。
『クラシックジャーナル044』が届いた。『特集は、ピアニスト。』
中川右介さんが編集長を務められている。
その中川さんの近著『二十世紀の10大ピアニスト』は豪快だった。
新書と言う概念を超える分厚さ。分厚いけれども一気に読める集中力。
『クラシックジャーナル』と『二十世紀の10大ピアニスト』は合わせて読まなければならない。
そして、興味を持った作曲家・演奏家は、聞こう!
リストアップされたCDを買うなり、借りるなりして、聞こう。
この『クラシックジャーナル』には、エッセイを書かせていただいた。
ラフマニノフに関する一文だ。
ぼくは決して音楽の専門家ではないけれども、ラフマニノフが好きだということに、
そんな肩書は必要ないはずだ。と、ラフマニノフ考察を書かせていただいた。
そういえば、編集長中川右介さんとも不思議な縁だ。
ちょこちょことあちこちでお会いしていながら、
とは言っても、最初はその著書だった。『カラヤンとフルトヴェングラー』
そのあまりの面白さにわくわくしたんだった。
そう、ぼくは、中川さんをその著書で知り、その後、あちこちでお会いし、
今年は、FaceBookで一緒に仕事をした。
中川さんに一冊の本を仕立てていただいた。ぼくが追い続けている見沢知廉だ。
不思議な縁もあるもんだな、と、日曜日の午前中、ラフマニノフのピアノを浴びている。