『杳子・妻隠』古井由吉
2007年1月16日 01:49:35
コトバが肩にとまり、
髪の毛をつついています。
今日は甘えん坊のコトバ。
さっきからずっと、肩の上。
降りる気配はありません。
少しばかり疲れが溜まってきています。
眠れば少しは楽になるのでしょうが・・・
『杳子・妻隠』
古井由吉
昔から、好きな作家です。
文体や表現のそもそもに影響を受けました。
あきらかに。
きっちりと、外部から内部が描けている作品です。
人間の心が常に動いていく様が目の前に現れ、
人によっては、嫌な気分になるかもしれません。
自分もその一人です。
2編の物語が収録されています。
2編とも
「女」
が書かれています。
疲れる「女」です。
でも、それが、「人間」だと。
物語を紡ぐ、
言葉を書く、
小説を書く、
表現する、
そんなものの本来を見せてくれる秀作です。
古い作品ですが、
読んでおくべき一冊でしょう。
と、評論家みたいな物言いをしつつ、
高木は、
表現に憧れ、
言葉に憧れ、
物語に憧れ、
ああ、
しかし、
今は、寝よう・・・