『早すぎた天才』宇佐美 道雄
2007年1月28日 22:49:40
ここ最近、漫画ばかりを読んでいました。
それは、
友人T君宅より、やってきた60数冊の漫画の山があり、
どうにも
それをクリアしないことには、落ち着かなくて・・・
ということで、
一気にその漫画群を読み終え、
続きを気にしつつ、
『早すぎた天才』
宇佐美 道雄
これは、良書です。
今後も伝えていかなければならない本です。
副題は、
贋作詩人トマス・チャタトン伝
ご存知でしょうか?
トマス・チャタトン
あまり有名な人物ではないかもしれませんね。
詩人です。
そして、
贋作と付けられることが、殆どです。
しかし、
彼の思索の試作としての詩作は、
贋作以上の感情が迸っていたはずなのである。
それは、だれもが青年時代に夢見る、あの情熱がそうさせたから。
ブックデータベースには、こうあります。
「1770年8月、ロンドンの片隅で若き詩人は毒を仰いだ。
10歳で詩作を始め、
古語を用いた「贋の中世詩」で才能を開花させるも、
貧窮、孤独、絶望のままに終わったチャタトン。
後世、ワーズワースら浪漫派の巨匠に激賞されたその詩魂と、
哀切な生涯を描き出す。
慈愛に満ちた著者の視線が感動を呼ぶ屈指の評伝。」
そして、この人物の伝記を日本人作家が物にしているというのが、
素晴らしいこと。
チャタトンの絶望と青年特有の自負心の高さ。
そして、
その行動力と決断の潔さ。
日本人とも思えるその清さ。
ああ、そうか、だから、日本人に書けたのか。
おすすめです。