『飛ぶ男』 安部公房
2006年4月27日 20:44:07
さて、こんな一冊を読みました。
自分の大好きな作家です。
『飛ぶ男』
安部公房
有名な作家ですね。
「箱男」とか
「密会」とか
「砂の女」とか
日本を代表する小説家です。
イマジネーションの果てを遊んだ作家です。
さて、この作品はご存知でしょうか?
帯には、
「安部公房、最後の小説
死後、愛用したワープロの
フロッピー・ディスクから
発見された長編。
保根治(ほねおさむ)・男・三十六歳・高校教師。
突然、彼のもとへかかってきた電話の主は、
いるはずのない『弟』だった。
空を飛び、スプーン曲げを職業とする、
自称『弟』。
いったい、その目的は・・・・」
この作品は、未完です。
まだ、推敲はこれからなんだろうなあ、
と思わせる文章が多々あります。
ほんとに未完の物語です。
新潮社は、ファンのために、
この作品を発売したのでしょう。
確かに、ファンにはたまらないものかもしれません。
構成メモや、アイデアのメモなんかを
同時に収録している所からして、
ねらいはそこなのでしょう。
最悪です。
新潮社というのは、
そんなにもデリカシーのない会社なのですね。
一人の作家の未完の作品が
一般の目に触れることの恥かしさ、恐怖。
それがわからないのでしょうか。
まあ、出版までには色んなことがあるんでしょうが、
安部公房は、
日本人に絶望しています。
間違いなく。