『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶は十一月に消えた』『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 骨と石榴と夏休み』『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 雨と九月と君の嘘』『翻訳会社「タナカ家」の災難』『トマトの先生』『マルテの手記』『パインズ -美しい地獄』『凍氷』『埴谷雄高政治論集』『ゲーテ格言集』
2014年5月7日 23:13:13
決して暇だったわけではない。
これまでのゴールデンウィークよりも、むしろ忙しかったのかもしれない。
でも、なぜか、毎日のあちこちに時間がぽっかりと空いたし、移動などという無為の時間もあった。
そして、本を読む。合間合間にひたすら読書。
一日五冊に挑戦したり、10月に向けの資料を読み始めたり、
5月といえば高橋和巳や寺山修司を開いたりもした。
夜、稽古から帰宅すると、頭は回転し続け、体は火照り、目の奥に鈍痛が居座り、
どうにもこうにも落ち着かない時間が待っている。それは昔からだ。
以前は、映画を観てクールダウンしていたものだ。
例えば、『LEON』や『NIKITA』は、毎日のように見ていた。
だが、今は、そんなものを観ると余計に頭が回転し、ますます困ったことになってしまう。
なぜそうなったのかは、わからない。
だから今は、帰宅すると、体を冷やすためにまずパンツ一丁になりベッドにひっくり返る。
眼に、いい匂いがして、あったかくなるアイマスクをして、10分のタイマーをかける。
その目を閉じている10分間にゆっくりと先ほどまでの稽古を振り返ったり、翌日の予定を頭に確認する。
目を休ませても、体の発熱が治まらない。そのまま裸で体が冷えるまで待つのだが、
その時の相棒は、『名探偵コナン』だ。漫画だ。何度も読んでいるけれど、コナン君を手にする。
ぼんやりとコナン君や灰原さんやあゆみちゃんや蘭ねえちゃんや小五郎のおじさんと戯れる。
あー、コナン君になりたいなー
蘭ねえちゃん、かわいーなー
いやいや、灰原さんもなかなか
とぶつぶつ独り言を言いながら、ページをめくる。おもしろいのだ、コナン君!
体が冷えて、稽古や作品の事が頭の中で一つ階層を降りたら、読書の時間。
ほんとに、本を読むだけで、ただ、それだけで、収入にならんもんか、と思いながら。
今は、必ず、なにがしかの、「出力」がないと、換金されない。当たり前だと思う反面、
当たり前だとみんなが思うからこそ、その逆の道があるんじゃないかと、思ったりもする。
おお! その手があったか! とみんなが笑うような驚くような換金システムが、すぐそこにある気がしている。