『母と息子の囚人狂時代』見沢 知廉
2007年2月21日 22:19:33
劇場入り。
やはり、特別な日だ。
心が浮き立つ。
朝9時。
劇場が開き、
足を踏み入れる。
空っぽの何もない空間を見詰める。
舞台が立ち、
照明が輝き、
スピーカから、音が流れ、
俳優が、
きっと、語るのであろう。
『母と息子の囚人狂時代』
見沢知廉
彼の母の魂に触れ、
故見沢氏の魂に触れ、
ミキサー卓の前で、潤む。
真っ暗の中、
手元の小さな明かりの中で読んだ本書。
小さな明かりの中に、
彼の母の宇宙があった。
「懲役12年。
この絶望的長期刑に服していた著者を支え、
励ましつづけたのは、母の愛だった。
荒れて駄々をこねる息子を一喝したかと思えば、
ある時には看守の目をかいくぐり、
雑誌グラビアを獄内に差し入れる。
家に帰れば、
息子が書いた細かい悪筆の小説原稿を、
疲れた身体にむち打ち清書する…。
母と息子が二人三脚で奮闘する、
笑いと感動の獄中記。」
明日は、初日。
大切なものを抱えて。