『調律の帝国』見沢知廉
2007年2月24日 01:25:55
舞台の二日目。
俳優もスタッフも午後一から劇場に入り、
前日のダメだったところを、稽古。
じっくりと3時間かけて、
見直していく。
そこに、生命を誕生させられるように。
『調律の帝国』
見沢知廉
素晴らしいタイトルです。
ここに、文庫版と単行本があります。
文庫に書いてある帯には、
「第11回三島賞候補作
12年の獄中体験が生んだ
狂気と幻想の物語。
石原慎太郎氏絶賛!」
とあります。
どんな内容か。
『神社爆破と警官殺害で
独居専門棟に収監された過激派政治犯Sは、
その処遇をめぐり「担当」と呼ばれる看守部長と常に対立。
苦情を申し入れても却下され、
リンチ同然の暴力を受けるなど絶対服従を強いられた。
小説を書くことで生きる望みを見出すSはやがて、
看守も所詮、
刑務所という閉鎖社会でしか生きられぬ
「囚人」に過ぎないと考える。
凄まじい獄中描写が大反響を呼んだ問題作。
極度の規律と重労働、徹底的な人格の破壊、
尊厳の否定が恒常している刑務所に収監された元革命家。
「正常」でいられること、
自己と創作活動を守り保つための権力との凄絶な闘いの末に…。
人間存在の根底を問う。』
ここには、命がある。
命が、ある。