『落雷の旅路』丸山健二
2007年5月17日 00:10:07
なるほど、今日も真夜中か・・・
いつだかに、部屋の時計が壊れ、
ぱっと見えるところに時計が、ない。
時間を気にしたところで、
同じように時間は進むし、
やるべきことがなくなるわけではないので、
まあ、よし、と思っていたのですが、
意外に不便・・・
『落雷の旅路』
丸山健二
丸山健二です。
孤高の作家、なんて評されたします。
久しぶりの短編集。
最近は、意欲的な長編と、
庭造りと写真に走っていたようです。
彼の濃すぎる情念は短編においてこそ発揮されていました。
若い頃のあのあらあらしい魂。
「岸壁の老婆から孤高の猪まで、
森羅万象を導く超絶の文学。
伝説の作家が帰ってきた。
哀れな浮浪者でもなく、
軽薄な夢追い人でもない、
「初老の放浪者」の旅路を描く表題作のほか、
全10篇を収録する」
さて、楽しみに読みました。
あの20代30代の頃のような、
荒々しさは、さすがに影を潜めた感じですが、
その魂は、内向し、
深く深く内向し、
彼自身の中に宇宙を取り込み。
時計のない部屋は、
時間が止まる。