『ニヒリズム』【戦後日本思想大系3】編集・解説_梅原猛
2007年10月10日 22:58:33
どんどん読んでます。
戦後日本思想大系。
このシリーズは全16巻ですが、
第一巻が「戦後思想の出発」
第二巻が「人権の思想」と続きます。
で、第三巻が「ニヒリズム」
ん?と思うわけです。
ちなみに第四巻は「平和の思想」
戦後思想・人権の次がニヒリズムで、平和。
メニュを見たときの「?」は、
その順番。
ニヒリズムとかは、なんとなくもっと後の巻じゃないのかな、
と感じてたのです。
戦後思想ですから、
ニヒリズムよりは、平和が先ではないかと。
全16巻の順番にどれほどの編集意図があるのか
分かりませんが、
『ニヒリズム』【戦後日本思想大系3】
編集・解説_梅原猛
読み終わると、
なるほど、と納得してしまいました。
ニヒリズム。
梅原猛さんの解説は日本におけるニヒリズムを
西洋とそれと対比し、
例をあげてわかりやすく書かれています。
このあたりで、なるほど、と思うわけです。
ニヒリズムを明文的に必要としたわけ。
戦後の混乱期に「無」「虚無」という立場・観念を
体系的に欲した日本の理由。
この解説だけでも一読の価値があります。
それに続く20編の論文・小説・対談。
そして、驚くことに漫画が一編収録されています。
誰の漫画かは、手にしてからのお楽しみです。
珠玉の20編の中でも、
付箋まみれになったのは、
埴谷雄高・高橋和巳・唐木順三あたり。
どんどん読んでいます。
来年一年でシリーズ100巻はいけそうです。
解説ニヒリズムの系譜