『雁』森鴎外
2008年1月16日 22:54:04
煙草をやめよう、
と思ったことが、かつて一度もない、と、今日、思った。
話は、変わって、
ろくでもない肩こりだ。
背中上部から首にかけて、痛い!
首がまわらない。
2ヶ所の頭痛。
(1か所は肩こりからきている感じで、もう1か所は、偏頭痛か)
ランボーがもってるみたいなナイフがあれば、
肩のあたりを抉り出したいよ。
これを書いたらお灸をしてみよう。
お灸のあとに薬を塗ろう。
『雁』
森鴎外
久しぶりに読みました。
なんで、鴎外を出してきたかというと、
先日、ラディゲ『肉体の悪魔』
を読んだんです。
それは、本当に偶然で、書店で目が合い、
「ラディゲ?あれ?読んだっけ?読んだよなあ」
と、手にしたら、
その手にした感触がとっても心地よく、
買ってきて、すぐに読みました。
読んでいる途中で、
この「雁」を思い出してた、という訳。
十代の少年と年上の人妻。
その設定だけが同じなだけで、
テーマもモチーフも当然、違う。
「肉体の悪魔」は、そのタイトルどおり、「性」を正面から描き、
「雁」は、その対極ともいえる正面に立ち。
そう、「性」。
ラディゲが描いているのは、16歳の少年と、
人妻なのだけど、
そこに介在する「性」のなんという情緒。
よくぞ、ここまで心の動きを追い詰めたな、と。
冷たく、鋭利な、ペン。
「性」を描いていても、「官能」は、ない。
そうだ、「雁」だ。
ずいぶん昔に読んでいて、
ラストシーンの絵がとても頭に残っていた。
で、
読み直してみると、
「凄いなあ」と、一言。
やっぱ、森鴎外、すごいよ。
言葉の選択の美しさもさることながら、
一つの形容詞を生かしきる最大の注意を払っているのがわかる。
やっぱ、鴎外さん、すごい。
ゆずれない美学。一歩たりとも下がらない美学。