『世界最強虫王決定戦』新堂冬樹
2008年3月9日 23:59:56
全てを否定したらどうなるだろう。
全てを肯定したら、どうなるだろう。
全て、というのは、そのまま、全てで、
生活の全てであり、
浮かび上がる想念の全てであり、
生物としての関係性の全てであり、
その全てを。
一日中、その思考実験にとりつかれる。
実験結果は、なかなか面白いものであり、
もしかしたら、
自ら実験してみてもよいかも、と、
不埒な衝動に駆られて、稽古に行った。
『世界最強虫王決定戦』
新堂冬樹
「タカキさん、タカキさん、
ガムを噛んでいるときに、
噛むたびに舌がでるような体になったらどうします?」
「タカキさん、タカキさん、
歩くときに、一歩ごとに、
口から変な言葉が出てくるようになったらどうします?」
と、そんなことを友人T君(辻慎之介)は、聞いてくる。
答えようがない上に、
全く意味のない質問なのだけど、
考えに考える。
「・・・もし、そうなったら、
とりあえず医者に行ってみるよ。
そして、身近な人に打ち明けるよ・・・」
と、考え付いた答えを答える。
それで、満足するのか友人T君(辻慎之介)、
笑顔で去っていく。
先日、こんな本を持ってきた。
「タカキさん、僕がアマゾンで初めて買った本です!」
と。
(知るか!)と、思うも、その本に釘付け。
世界で一番虫トーナメント本、というか、
本の中で、虫たちが戦っています。
「カブトか?クワガタか?サソリか?オオムカデか?タランチュラか?」
正直、どうでもいいけれども、
結果は、気になる。
のんびりと読み進め、
予想外の展開を楽しみ、
戦う虫に感情をのっけたり、
そして、決勝戦。
優勝虫がきまりました。
友人T君(辻慎之介)にその、ある種の感動を伝えようと、
携帯を手にしたけれども、
あまりのバカらしさに、やめた。
頭の中で戦う虫たちの感情と、
それを想像する自分の感情を楽しむ。
それは、肯定も否定もない素直な想念で、
一日かけた思考実験の結果に一石を投じた。