『権力の思想』【現代日本思想大系10】編集/神島二郎
2008年4月3日 23:08:15
一ヶ月間、思想書を離れていた。
『人間の運命』を読み続けていた一ヶ月。
大体二日で一巻を読了し、ちょうど一ヶ月で14巻を読み終えた。
その合間合間に「よりみちパン!セ」シリーズを読み、
そのまた合間に資料を読んだり、別の小説を読んだり、
一ヶ月間、潔く、「日本思想大系」を離れていた。
久しぶりに手に取った思想大系。
わくわくしながら、ページをめくった思想大系。
本番まで、あと10日。
稽古が重なっていく。
10日先の本番を見据えながら、
そして、1年後3年後の舞台を見据えながら。
蓋然性の豊かな推論は、目の前で丁寧に重ねられ、
そこに恣意的なファクタなど入り込む余地がない。
目の前の7の可能性と不可能性。
俳優の一瞬の表情が宇宙を飲み込むほどの世界を創る。
なんという、彼ら。
恐るべきは、個人。
目の前の、7。
観るべき、7。
あと数回の稽古。
仕上げの段階などでは、ない。
恐るべき宇宙創造の、
恐るべき人間創造の可能性に、
仕上げなどという段階があるはずはない。
宇宙創造は、目の覚める一瞬で出来上がり、
人間創造は、神様の領域。
イカロスを思う。
翼を広げ、
シジフォスを思う、
休むことなく一歩を、
思想書を読むことができる歓喜。
また、このシリーズに戻れたことの喜び。
そして、
目の前で繰り広げられる人間創造への飽くなき一歩と俳優。
見る。
総説
「権力の思想」神島二郎
各説
「大久保利通」佐藤誠三郎/「大久保利通文書」・大久保利通
「伊藤博文」松沢弘陽/「国是綱目」ほか・伊藤博文
「陸奥宗光」萩原延寿/「井上馨宛書簡」ほか・陸奥宗光
「原敬」三谷太一郎/「原敬日記」ほか・原敬
「後藤新平」前田康博/「国民内閣論」ほか・後藤新平
「革新官僚」橋川文三/「変革期日本の政治経済」・奥村喜和男
「近衛文麿」岡義武/「国際平和の根本問題」ほか・近衛文麿
「東条英機」判沢弘/「『東京裁判』から」・東条英機
「吉田茂」升味準之輔/「日本外交の歩んだ道」ほか・吉田茂