『哲学思想』【現代日本思想大系24】編集・解説/下村寅太郎・古田光

2008年7月3日 23:02:52

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それにしても、『ドルチェグスト』は、凄い!
よくぞ、開発した!ネスカフェ!偉い!

簡単な操作で、そこいらのチェーン系喫茶店よりは、
数倍おいしい。
普通に自宅でコーヒーを淹れると、
早くても数分はかかる。
お湯を沸かすにしても、コーヒーメーカを使うにしても、
ドリップするにしても、インスタントにしても。

しかし、『ドルチェグスト』は、それ以上に早い。

一分かからないのではないか。
絶妙な温度。
細かいミルクの泡。
香り。
申し分ない。

そして、そのフォルム。デザイナのパッションを感じるではないか。

読書のお供にエスプレッソを楽しんだり、
カプチーノを淹れてみたり。

『哲学思想』【現代日本思想大系24】
編集・解説/下村寅太郎・古田光

前巻からかなりの時間がかかって、この24巻を読了。
なまけていました。堕落してました。
哲学テーマが続き、頭が疲れるからと、勝手に理由をつけて怠けていました。

哲学テーマの総決算的な一冊。
編集者の力強い意思を感じる一冊。
それは、タイトルにも現れてる。
『哲学思想』!

『哲学の思想』ではないのですよ。

【戦後日本思想大系】『ニヒリズム』に匹敵する面白さ。
これは、本当にお奨め。
総決算。

明治近代化における西洋哲学の輸入から、
西洋哲学を日本的なるものへの日本人の挑戦。
西洋哲学を昇華していき、「無」へ至る哲学的道標。
そして、芸術との関わり、宗教的概念への移入と発展。
日本的哲学の社会における役割、
近代化に貢献した思想的背景。

人間がよりよく生きるための、
という哲学本来の役割まで、粒ぞろいの論文がキラ星のごとく。

読み終えるのがもったいない、久しぶりの興奮。
連日積み上げられる舞台稽古とはまた違う興奮。
味わいの違う歓喜。

その歓喜と興奮の渦に自分が人間だとあらためて感じる。

そうだ、命が、ある。


解説「日本の哲学」下村寅太郎・古田光

【日本の近代化と哲学の歩み】
「明治哲学界の回顧」井上哲次郎
「尚白箚記」西周
「批評心」大西祝
「人格哲学雑感」朝永三十郎
「現今の哲学問題」桑木巌翼
「哲学を殺すもの」出隆

【方法の省察・体系の構想】
「包弁証法」高橋里美
「所有における精神と物質」山内得立
「人間存在と身体」三宅剛一

【美と科学と宗教】
「美しき魂」深田康算
「滑稽、機智、機鋒および洒脱の『問』と『答』」植田寿蔵
「近世における幾何学の生成」下村寅太郎
「死」波多野精一
「虚無と空」西谷啓治

【社会と人間】
「徹底個人主義」田中王堂
「酔歌」三土興三
「驚きの情と偶然性」九鬼周造
「人間現実の二条件」務台理作