『歴史の思想』【現代日本思想大系27】編集・解説/桑原武夫

2008年7月20日 22:54:54

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このHP「高木ごっこ」に毎日、書いている。
なにかしら、書いている。

「毎日見てますよ。高木さんの生存確認ですよ」と、
友達が言った。
そんなつもりはなかったのだけれども、
確かにここに記事がアップされている間は、生きているのだろう。
1000日連続で記事を書く、と豪語し、書いている。
今日で、582日。一年半、休む日なく書き続けてきたわけだ。
生存確認。確かにそうだろう。この582日は生きていた。

もし、自分に何かあったら、「高木ごっこ」は消滅させよう。
一切の記録を消し去ろう。

生存確認ですよ、と笑った友達と定期的に麻雀をうつ。
明日なんかない、明日なんかない、と真夜中。

『歴史の思想』【現代日本思想大系27】
編集・解説/桑原武夫

鈴木さんからたくさんの本が届いた。
鈴木さんは、こんな本を読んでいたのか。
こりゃ手に取らなかった本だ。よし、読もう。
これは挑発なのか、とページをめくる。

順調に読み進めている【現代日本思想大系】
27巻を終えた。
驚きの一冊。素晴らしい一冊。もう一度すぐに読み直したい。
そう思った一冊。

収録論文をあらためて見直す。
内藤湖南の数編の講演録。軽妙な語り口にゆずれない信念が見える。
鈴木さんみたいだ。内藤湖南は、鈴木さんに似ている。
そして、巻頭の「二千五百年史」。

津田左右吉の論文も厳格で精緻な論証でわくわくする。

いない!

今、ここまで書ける思想家はいない。
そもそも、思想家、という者がいるのか。
評論家はいるだろう。ジャーナリストはいるだろう。
記者はいるだろう。政治家はいるだろう。
作家はいるだろう。思想家は、いるか。
「安藤昌益」を書けるほどの思想家はいるか。

時局を論じる人はいるだろう。
限定された近代をまとめられる人はいるだろう。
日本の感情を感情的にわめく人はいるだろう。
共同幻想を持ち続けそれを売る人もいるだろう。
1000年の思想の勇気を持っている人はいるか。

言葉の本質を知ることができるのが、良書だ。
言葉の限界を知ることができるのが、良書の読書だ。


解説「歴史の思想序説」桑原武夫

【歴史叙述】
「二千五百年史」竹越与三郎

【批判史学】
「『尚書』の高等批判」白鳥庫吉
「神武天皇東遷の物語」津田左右吉
「神代史の性質およびその精神」津田左右吉
「平安時代の恋愛観」津田左右吉

【文化史】
「文化史と歴史学」西田直二郎
「日本文化とは何ぞや」内藤湖南
「唐代の文化と平安文化」内藤湖南
「日本の肖像画と鎌倉時代」内藤湖南
「応仁の乱について」内藤湖南
「近代支那の文化生活」内藤湖南
「中国における奢侈の変遷」宮崎市定

【人間】
「安藤昌益」狩野亨吉
「東山時代における一縉紳の生活」原勝郎