●2冊●『日本沈没 第二部』『ときめきに死す』
2008年9月3日 01:38:29
コトバが畳の上を歩いている。
羽があるから飛べばいいのに、よく歩いている。
てってってってってってっ、と音がする。
意外に早足で移動する。
てってってってってってっ、と歩き、ちょっと飛ぶ。30cmくらい。
何がしたいのか、まったく分からない。
野生の本能なのか、捕食行動なのか、まったくわからない。
昨日、靴下がかたっぽ無くなった。
犯人はコトバの奴。コトバがよくいるテレビの奥の止まり木辺りを見てみる。
ない。
エアコンの上にあった。あちこちに穴が開いていた。
てってってってってってっ、と歩くコトバと目が合う。
目が合うと、「何?」とコトバが言う。
「何してるの?」と聞くと、答えない。
答えずに、畳の上を歩いていく。
『日本沈没 第二部』著/小松左京・谷甲州 (鈴木さんから)
『ときめきに死す』著/丸山健二
「日本沈没」
小松左京の名作中の名作。物語の中の物語。小説の王様。
中学生の時、寝ずに読んだ。
面白くて面白くて、どきどきして、あの沈没する日本に取り込まれ、
日本地図を見ながら読んだ。
興奮した。そして動揺した。
映画になったけれども、観ていない。両方とも観ていない。
観ようと思わなかった。どんな映画だったのかな。
と思うこともあるけれど、興味がわかない。あの小説に勝てるわけがない。
その「日本沈没」の第二部が発売されたことは知っていた。
(あの続きの物語・・・)
興味はあったけれども、手にしなかった。
「日本沈没」が完全すぎる。それに、著者が、2名並んでいる。
(何で?)と思っていた。
鈴木さんから送られてきた本の中に、その「日本沈没第二部」があった。
500ページ近い本。読んだ。うーん、つまらない・・・
冗長、散漫、破綻・・・
前半で張られた伏線が解決しない。エピソードが尻切れトンボ。
壮大に見せつつ世界が小さい。地球規模の地域を扱っているのに、小さい小さい。
こりゃ、ダメだ。面白くない。退屈。
小松左京が考えたことを、たくさんのスタッフが協力して取材し、
資料を集め、構成をし、最終的に谷甲州という人が書いたよう。
プロットに無理がある、世界がちっちゃいのに、
ラストシーンで無理やりおっきくしようとして失敗。
張りに張った伏線をラストシーンでどうにかしようと大わらわ。
挙句の果てに、逃げの一手(としか思えない)。
想像力を舐めている。想像力の恐怖に恐れをなして逃げている。
逃げている小説。
口直しに、「ときめきに死す」
丸山健二に初めて出会った作品。
そう、これが想像力。これが小説。よかった。
「レコンキスタ」という機関紙を編集し終え、印刷所に入稿したら、午前1時。
真夜中だ。2台のマシンをにらみ続け、校正し続け、直し続け。
真夜中じゃないか。マックの操作に慣れてきてるとはいえ、もっと早くできないかな。
頭の中での操作と実動が合わない。
タッチパネルがやっぱり早いのかもしれない。
ヴァーチャルモニタを利用した作業環境が早く実現しないか。
来月号の編集打ち合わせを木村さんと。
「高木君、甘いもの好きだったよね」と、
対馬土産の甘いお菓子を貰った。