●269●7月/10881●『かれ、ときどき、テロリスト』
2009年8月1日 01:02:15
今月もなんとかノルマを達成。
月に10000ページなんか、簡単簡単と思っていたけれども、
なかなか、大変。
見沢さんの遺した何百冊もの本を整理している。
一冊ずつページを開き、日付を確認し、
刑務所で読んだものか、出所してからのものか、
暗号が書かれていないか、誰かにいただいたものか、と。
一冊ずつ確認しながら、部屋は見沢さんの本で埋まる。
こんな本を読んでいたのか。
見沢さんも全集を読んでいたんだな。
哲学・政治・軍事・ドイツ・ロシア・革命・アンダーグランド
サブカル・エロス・刑法・訴訟法・漫画・古典文学・・・
見沢さんの足跡を遺された本から、辿る、真夜中。
『かれ、ときどき、テロリスト』佐伯紅緒
(269)
著者佐伯紅緒さんから頂いた一冊。
頂いた日にすぐに読んだ。
読んだけれども、ここに書くのは、今日にしようと、思っていた。
見沢さんの本の中で、記事をアップしようと思っていた。
これは、「見沢知廉」をモデルにした小説。
一人の男と、女。
読みながら、思った。
すれ違うことの美しさ。すれ違うが故の一点の純情、純真、純粋。
そうだ、ぼくたちは、何かと、誰かと、
常にすれ違いながら、
微かな一点を求めて歩く。
その一点のためだけに生きているのかもしれない。
男は女と出会うのかもしれない。
誰かは、芸術と出会うのかもしれない。
また、他の誰かは衝動と出会うのかもしれない。
すれ違いながら、行きかいながら、
微かに交わる一点を求めている。
ぼくもそうだ。
その微かな淡い一点のために、書いている。
読みながら、そして読み終えて、
純粋すぎるすれ違いに、ぼくを点火した。