●826●9月/11670●『音楽の聴き方』『傷はぜったい消毒するな』『心理学で何がわかるか』

2009年9月30日 22:23:21



俺の女は目に涙を浮かべてた
いつまで続けるの そう言いやがる

劇団再生の合宿。
初日に所用で裾野から沼津まで夜の国道246号線を走った。
往復80km。一人っきりのドライブ。

劇団員を乗せての合宿施設までは、カーステレオの音量は絞っていた。
沼津までは一人っきり。窓を開けて、大きな音で歌を聴いた。歌った。
尾崎豊が流れる、SIONが流れる。そして、MODSが流れた。

MODSの「TWO PUNKS」が流れた。
今でも不意に口をつく歌だ。森山達也が歌う。
『俺の女は目に涙を浮かべてた
いつまで続けるの そう言いやがる』

続けて歌う。
『そんなこと俺にもわかりゃしねぇよ
でももう列車には乗り遅れた』

涙が溢れて仕方なかった。
いつまで続けるの・・・そんなこと俺にもわかりゃしねぇよ・・・

ぼくたちは、列車に乗り遅れたのだろうか。
それとも、どこに向かうかわからない、目的地以外には停車しない、

そんな列車に乗り込んでしまったのだろうか。

今日、突然、あの画が見えた。
これまで、何度か見たことのある画だ。
瞬きをした瞬間に、時間も空間も世界も宇宙も・・・

とても、

言葉になんかすることができない一枚の、画。

そして、同時に言葉の本来の意味の一つを体感し、これまで以上に言葉を畏れ、

言葉を畏れながら、濃密な世界の涯で、言葉を放射しながら、
言葉を畏れながら、詩と死の涯で、声を嗄らしながら、
時間を失い、過ぎた時間を失い、これからくる時間を恐れながら、
詩と死の同音であることの空を見上げた。

空には、言葉

降る言葉に、やっぱりぼくは、窒息する。

いつまで続けるの
そんなこと俺にもわかりゃしねぇよ

MODSが20年以上も問い続けたその問いに、今日の答えを答えてみた。

肉体が死んだって続けてるさ、と、空に答えてみた。

『音楽の聴き方』岡田暁生

(237)

『傷はぜったい消毒するな』夏井睦

(304)

『心理学で何がわかるか』村上宣寛

(285)