『陸羯南集』【近代日本思想大系4】
2010年3月22日 01:15:27
日本思想大系を全巻読み終えた。
『戦後日本思想大系全16巻』『現代日本思想大系全35巻』『近代日本思想大系全35巻』
3シリーズ全86巻。2年4ヵ月かかった。
2007年9月に鈴木さんからメールをいただいた。
この『筑摩・日本思想大系』についてだ。
以前、ぼくが「全集を読みたい」と指南をお願いしていた。
そのメールを今あらためて読んでみた。3種の全集の読み方がていねいに書かれている。
「これを読んだら、もう今の学者の本など読む必要はありません。ここに全てがあります」
「自分の頭のなかを覗かれているようで怖いです」
全86巻のどれが面白いか、リストに丸印がつけてある。
丘浅次郎、幸徳秋水、石川三四郎、内村鑑三、吉野作造、河上肇、山川均、大川周明、大杉栄、
ナショナリズム、アジア主義、ジャーナリズム、社会主義、アナーキズム、マルキシズム、
民族、反近代、近代、新保守、戦後思想、ニヒリズム、国家、革命、日常・・・
読み終えた今、どれもこれもが懐かしい。
近代日本思想大系の数冊は、入手できず、図書館に通って読んだ。
幸いに自宅の目の前が区立図書館だ。検索システムも良好。利用方法もなかなかよい。
ただ、貸し出し禁止の図書だ。数時間の時間が空けば、通いつめた。
図書館の2階で煙草もコーヒーもなく、横になることもできず、ひたすら読んだ。
読み終えたか。感慨はある。
鈴木さんの言うとおり、一つの大きな山を登ったという達成感がある。
2年前にいただいた鈴木さんからのメールに、
「岩波の日本思想大系全67巻は最後でいいでしょう」とある。
えっ?! 岩波? 全67巻?
まだまだ目の前には大きな山脈。
岩波67巻に登頂する前に、机の周りには『世界の名著全81巻』が積まれ、
『世界思想教養全集全24巻』が積まれている。そいつらをやっつけるのが先か。
『世界の名著』は現在16巻ほど読んだ。あと65巻。
他の本との並読だ。やっぱり2年くらいはかかるだろうか。
先に『世界思想教養全集』をやっつけていくか。
と、ヤフーニュースで「ポアンカレ予想」が解かれ、それが認定されたことを知った。
解けるんだな。
認定作業も大変だったろうな。
それにしても、少し先に進んだんだろう。宇宙の姿に少し近付いたのかもしれない。
それはやっぱり凄いことだ。
7つの難問のうち一つが解かれた。あと6つか。
いつか、解かれる日がくるのだろう。
そして、また新しい予想が生まれてくるのかもしれない。
数学上の7つの難問か。
言葉の世界には、未だ解かれずに存在し続ける難問といえば、言うまでもない、
一つだ。
どれほどの先人がその難問に挑み倒れただろう。
どれほどの時間がその難問に挑み無為しただろう。
ぼくもそれに挑み続ける一人だ。
『世界思想教養全集』の第一巻を開いた。
全集読みの幕開けに相応しい音楽は何だろう。
数瞬考えて、フルトヴェングラーのベートーベン9番にした。