『アメリカの建国思想』【世界思想教養全集7】・『悲劇の思想』【世界思想教養全集8】・『ヴィヨン全詩集』『脱獄王』『夜と霧』『快盗ルビイ・マーチンスン』

2010年5月24日 16:12:14

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昔読んだ本を読み直したり、する。

『ヴィヨン詩集』は、何度読んだろう。
こうして、あらためて開くと、これまで素通りしていた一篇が強く脳裏に張り付いたり、

『脱獄王』もだ。
脱獄を繰り返した一人の男を追ったドキュメント。
昔、わくわくしながら読んだものだ。そして、今も同じようにわくわくしたり、

『夜と霧』か。
ナチスの強制収容所、ガス室、ホロコースト。
ヒトラーという一種のヒーローを追いながら、こうして事実を見る。
どう善意に解釈しても、正視に堪えない。
物事には常に両面性または複面性があるにしても、だ。

この三冊は、見沢さんが遺した本だ。
たくさんの見沢さんの遺本をこうして読んだりしている。
線が引いてあったり、ページが折られていたり。
見沢さん、どうだった? こんな本が好きだったんだ。
わかる、わかる。
ぼくも好きだ。ヴィヨンの絶望と暗澹。脱獄と言うロマン。ホロコーストという現実。
そうなんだ。見沢さんは、一度も現実から目を逸らしたことはなかった。

千葉刑務所の中でも、出所してからも。
現実と向き合いすぎた。よくわかる。見るに耐えない目の前のことごと。
生活という瑣末事。世間という無為。関係という煩雑。その全ての現実を見沢さんは、

知りたかった。考えたかった。見たかった。解釈したかった。

わかる、よくわかる。

『アメリカの建国思想』【世界思想教養全集7】
『悲劇の思想』【世界思想教養全集8】
『ヴィヨン全詩集』鈴木信太郎
『脱獄王』斎藤充功
『夜と霧』V.E.フランクル
『快盗ルビイ・マーチンスン』ヘンリイ・スレッサー

『快盗ルビイ・マーチンスン』は、大好きな本だ。
もう何十回も読んだ。
何が好きかと言われてもなかなか難しい。
その口調、そのタッチ、その軽妙、その単純。
ストーリーは単純そのものだ。そして、テーマもわかりやすい。
すらすら読める。

こうして、発熱のベッドに必ず開く。何度読んでもおもしろい。
寝汗をかきながら、これを読む。

それにしてもだ、健康第一。
まったくもって、健康第一。

『アメリカの建国思想』【世界思想教養全集7】

概説/斎藤真

ブラッドフォード

『プリマス植民地について』斎藤光 訳

フランクリン

『富への道』『回想録』『アメリカへ移住しようとする人々への情報』久保芳和 訳

ジェファソン

『講演書簡集』斎藤真 訳

ハミルトン、ジェイ、マディソン

『ザ・フェデラリスト』斎藤真 訳

エマソン

『アメリカの学者』『エイブラハム・リンカン』斎藤光 訳

ソロー

『市民の反抗』斎藤光 訳

リンカン

『講演書簡集』斎藤真 訳

ホイットマン

『民主主義の予想』鍋島能弘

『悲劇の思想』【世界思想教養全集8】

概説/高橋健二・秋山英夫

キルケゴール

『死にいたる病』松浪信三郎 訳

ニーチェ

『こうツァラツストラは語った』高橋健二・秋山英夫 共訳

シェストフ

『悲劇の哲学』河上徹太郎 訳