『夕刻のコペルニクス〈1〉』『夕刻のコペルニクス〈2〉』『赤報隊の秘密』『テロ―東アジア反日武装戦線と赤報隊』『「週刊SPA!」黄金伝説』『ボードレール詩集』

2010年7月19日 21:35:07



わけあって、赤報隊と東アジア反日武装戦線のことを調べていた。
鈴木さんがまとめたものを読み返し、そのほかの資料にあたっていた。
あらためて、「武力」によるテロを考えていた。

目的を達成するために、先鋭的、武力的な手段を用い、恐怖を利用する。

なるほど、世界中で長い間使われてきた思想だ。
現在も、その基本思想は当たり前のように使われている。
一般社会でもそこいらの企業でも、友人関係においても、あるいは家族の中であっても。
それほど、有用な思想なんだろう。怖いのは、

その有用な思想が、常に「武力テロ」につながる、ということだ。
まあ、いい。心して使えば、秩序を維持するのに一番簡潔且つ効果的ではあるんだ。

そうだ、テロリストになるんだった、と思い出した。
目的のため、人を殺すことが一つのテロならば、
目的のため、人を生かすこともまた一つのテロではないか。

人を殺すために、自分の命をかけて、その生涯をかけることが一つの価値であるならば、
人を生かすために、自分の命をかけて、その生涯をかけることもまた一つの価値ではないか。

一日、
何本も電話がかかってきた。全て、無視した。
電話というはしたない手段がつかえるほど、体は元気じゃない。
この熱が下がれば、吹き込まれたメッセージを聞こう。
中には、急用があるかもしれない。だとしても、熱がひくまで待てないほどではないだろう。

いくつもの原稿を並行して書きながら、見えない先に不快する。
明日なんかない、明日なんかない、明日なんかない、と呪文のように唱えながら、
八階のベランダに立ち、

両手を広げてみる。

『夕刻のコペルニクス〈1〉』鈴木邦男
『夕刻のコペルニクス〈2〉』鈴木邦男
『赤報隊の秘密』鈴木邦男
『テロ―東アジア反日武装戦線と赤報隊』鈴木邦男
『「週刊SPA!」黄金伝説』ツルシカズヒコ
『ボードレール詩集』ボードレール