『腹腹時計と〈狼〉』鈴木邦男

2007年4月20日 00:23:13

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さて、芝居を見てきました。
友達が出演している演劇です。
その劇評については、また後日。

体調不良を託ちつつ、
友人T君から、いきなり
「増曹とはなんぞや」とメールが来て、
今は発売が中止されているパスモに
「1000円」チャージしてみたり、
池袋の地下に、おいしい
「カレー屋さん」を見つけてみたり、
連日続いた菜種梅雨は、
「小休止」してみたり、

『腹腹時計と〈狼〉』
鈴木邦男

著者鈴木邦男さんは、
この「高木ごっこ」では、紹介をしなくても良いでしょう。
その鈴木さんの若かりし頃の著書です。

ある年代以上の方は、
このタイトルだけでピンとくるでしょう。
キーワードは、
「連続企業爆破」「東アジア反日武装戦線」
「狼」「大地の牙」「さそり」

本書、もう20年も前から
気になって気になって、
探していた本。
最近、ようやく入手しました。

そして、一気に読み上げ、
時代を紐解き、
昭和があからさまな素顔をさらし、
自身の内にくすぶるある想念をしっかと見据え、

名著です。

目次を見てみます。

第一部『急接近する左右ラディカリストの群れ』
第二部『戦争・原罪意識そして〈狼〉』
第三部『〈狼〉恐怖を利用する権力の謀略』

名著です。
このような一冊をものにするには、
確かな中立意識とストイックな自己戒律が必要でしょう。
そして、文章を書くという、勇気。

名著です。
精緻な論旨とぶれることのない論点。
破綻せず連続する単語の数々。
心地よさを感じるほどのリズムと
その感情のダイナミクス。

20年越しの一冊。

ああ、
そんな本にたくさん出会いたいと。
目の前のモニタには、
『太陽』が。

そして、CDプレイヤの中には、
その行進を今かと待ち構えている『ワルキューレ』

夜は、テロリストのものだ。