『生命』西村京太郎

2007年4月25日 21:31:03

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銃弾をこめた拳銃をしっかりと握り締め、
しかし、
裸のガンを自由に持ち出すことは、
不可能に近く、

朝から、雨。

友人からの電話で目を覚まし、
昼食を共にする。

湿度が高すぎる。
拳銃が錆びてしまう。

『生命』
西村京太郎

上下巻の2冊。
一気に読めるどころか、
さすが、西村さん。
一気に読みながらも、
足を止めさせるポイントはしっかりしています。

「北海道・東京・伊豆七島で相次ぐ殺人事件。
殺害されたのはすべて医療関係者だった。
札幌の大学病院名誉教授、
医療機器販売会社の社員。
そして離島の医師。
その背後にあるAID(非配偶者間人工授精)・・・
現代医療が生み出す悲劇。
ベールにつつまれた「生命」誕生に十津川警部が迫る!! 」

迫ってますが、
リアリティが感じられないのが・・・
まあ、それが西村さんの特徴とも言えますが。
現実の世界に迫る緊迫感のなさ・・・
まあ、それも西村さんの長所とも言えます。

この作品を書くのにどれだけの
時間がかかったのか。
何枚の原稿用紙を反故にしたのか。
無数に並ぶ升目にどれほどの力で立ち向かったのか。

雨が上がった。

拳銃をばらし、
油をさす。

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