『指揮官たちの特攻』城山三郎
2007年5月11日 00:33:12
幾ばくかの金銭がやはり必要で。
と、やはり毎日、意識する。
本を読み、じっくりと一本の脚本を仕上げ、
時間をかけて舞台を創り、
そして、落ち着いて眠り、
考えていたい。
考えることとは何かと、考えていたい。
と、思うのだけれども、
そうはいかない。
お米を買うのに、金銭を要求され、
眠るための空間を維持するにも、お金が必要。
そして、困ったことに膨大な読書量で
本が必要。
自分の性質か、図書館で借りた本を読めない。
所有しないと読めない・・・大問題・・・
『指揮官たちの特攻』
城山三郎
引き続き、城山文学。
あまり時間が取れなかったので、
量的に少ないものをチョイス。
短い量とはいえ、やはり
『珠玉の一品』
城山文学の中でも、最高峰に位置する作品だと。
何度目だろう、読むのは。
何度読んでも、涙が溢れる。
そして、時代の力がみなぎる。
特攻の最初と最後を飛んだ二人の男。
奇しくも海軍兵学校の同期生。
23歳で、飛んだ、二人の男。
日本をその背中に背負って、飛んだ、二人の男の物語。
「神風特別攻撃隊第一号に選ばれ、
レイテ沖に散った関行男大尉。
敗戦を知らされないまま、
玉音放送後に「最後」の特攻隊員として
沖縄へ飛び立った中津留達雄大尉。
すでに結婚をして家庭の幸せもつかんでいた青年指揮官たちは、
その時をいかにして迎えたのか。
海軍兵学校の同期生であった二人の人生を対比させながら、
戦争と人間を描いた哀切のドキュメントノベル。
城山文学の集大成。」
生の重さと死の重さを計る秤はあるのか・・・
理想と理念を計る秤はあるのか・・・
選択さえない覚悟と行動・・・
自分に言ってみる。
「飛べ!」と。
米を買うかねじゃない、「飛べ!」
眠る場所じゃない、「飛べ!」
一冊の書物を捨て、「飛べ!」