『民主主義』【現代日本思想大系3】編集・解説/家永三郎

2008年1月10日 22:18:48

体が空いたと思ったら、
ひどい頭痛に襲われて、
午後から、チョコレートを食べていた。

薬を飲んでも頭痛がひかず、
病名をつけて慰める。
今日の頭痛の病名は、

「革命前夜或いはイズマイロフスキー大通りは読書の仮面」

この頭痛に思想的背景を与え、
面白がっていた午後。

これまでに罹った頭痛に、

「あの地下室で黙狂と踊る」
「自同律の自虐的愉悦と快楽」
「赤い糸で織られた脳髄ダンス」

と、いろんな頭痛に罹ってきた。
今日も病名をつけて満足するも、
痛いのは痛い。不快なことこの上ない。

見沢知廉さんのお母さんから、
手紙と一緒にチョコレートが、届く。
そのチョコレートを食べながら、

「民主主義」を読み終え、
活字を読み足らず、
かといって、次巻「ナショナリズム」に入るには、
頭痛がひどく、
書店に行く。

目に付く軽そうな書物を何冊か購入し、
布団にひっくり返り、読む。
結局、頭痛で眠れずに一日読書をし続け、
4冊を読む。

『民主主義』【現代日本思想大系3】
編集・解説/家永三郎

写真

このシリーズの全てに共通することだけれども、
本巻も解説が素晴らしい。

日本が西洋近代民主主義を受容し始めた
明治維新以後を5つに分けて、
その代表的論文を収録してます。

自由民権の時代、
明治後半期、
大正デモクラシーの時代、
戦時下の暗黒期、
戦後の時代。

解説を読み、おなかいっぱい。
目の前に広がる論文の数々。
知の荒野。
以下の目次を見ると分かるとおり、
一級のものばかり。

今在る自分はなんなのか、
まったく、ほんとにもう、
こりゃなんだ!
自分が自分とおんなじに感じてしまう奇妙な不快。
メタエゴか、或いは・・・

頭痛が治まる気配はなく、
思考も収まる気配はなく、


解説「日本の民主主義」家永三郎

【自由民権】
「民権自由論」植木枝盛
「日本国国憲案」植木枝盛
「飯田事件檄文」植木枝盛
「植木枝盛短文集」植木枝盛
「内乱の害は革命家の過ちにあらず」馬場辰猪
「選挙人目ざまし」中江兆民

【明治後期の民主主義】
「田中正造の鉱毒問題についての質問」田中正造
「田中正造日記(抄)」田中正造
「革命の序幕」木下尚江
「軍隊主義教育とは何ぞ」木下尚江
「『世界婦人』社説二編」

【大正デモクラシー】
「憲政の本義を説いてその有終の美をなすの途を論ず」吉野作造
「北京学生団の行動を漫罵するなかれ」吉野作造
「逐条憲法精義(抄)」美濃部達吉
「憲法撮要(抄)」美濃部達吉
「治安維持法批判」美濃部達吉
「警察検束の限界」美濃部達吉
「書翰草稿」美濃部達吉
「書窓雑筆」美濃部達吉
「軍部大臣開放論」水野広徳
「『戦争』一家言」水野広徳

【戦後の民主主義】
「囚われたる民衆」高野岩三郎
「民主勢力の後退からの脱却」久野収
「一九六〇年五月十九日(抄)」日高六郎
「憲法第九条をめぐる若干の考察」丸山真男