『鈴木大拙』【現代日本思想大系8】編集・解説/増谷文雄

2008年2月18日 23:49:06

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4月の公演の脚本をまだ書き終えておらず、
頼まれている原稿が2本あり、
おまけに来週締め切りの原稿が2本あり、

頭の中は、いろんな文章の構成が渦巻いており、
こんなときは、時間があっても読書が進まない。
コーヒーをいれ、煙草に火をつける。

手紙を3通書いた。
切手を貼った。

1月はとても良いペースで読書を進めていたので、
2月にはいり、なんだか読書を怠けている感があったのだけど、
数えてみると、一日一冊のペースで読んでいて、
(このくらいのペースなら、366冊は読めそうだな)

と、体の中に呟いてみる。

手紙を明日投函しよう。

現代日本思想大系、前巻の「仏教」を終えて、
間が空いてしまった。
その間になぜかいろんな寄り道。
とはいえ、本書、読むのに時間がかかったのも確か。
体調不良に合わせて、急激な忙しさに雑務のオンパレード。
急な仕事に稽古の開始。

それ以上に、ちょっと思想大系に疲れていた気もする。
コード名「鈴木邦男」第一弾の「戦後日本思想大系」から数えると、
23巻を一気に読んできたわけで、
ちょっと小休止という感じだったのか。

頭の中にこれまでなじみのなかった言葉の思想の文体の数々が
強制的に取り入れられ、それを咀嚼する時間だったのか。

『鈴木大拙』
【現代日本思想大系8】編集・解説/増谷文雄

気を入れなおして、第8巻を読了。
鈴木大拙さんです。
仏教の人、というより、禅の人です。
実践思想家。

とっても分かりやすい本でした。
仏教の考え方から、禅のイロハ。
禅が日本において果たした役割。

海外の生活が活動が長かったからなのか、
日本への愛おしさがその言葉からにじみ出ています。
ある時はやさしく、ある時は厳しく、
日本人に、日本文化に、日本の思想に喝をいれています。

内村鑑三からキリスト経と
馴染みのない考え方に衝撃を受けていた頭に、
とても心地よい思想の数々なのでした。
やっぱり自分には、仏教なのかなあ、と。
影響を受けやすいのは自分でも知っていて、
キリスト経・内村鑑三を読んでいた時には、
その一神教の強さに目を開かれ、
今は、

(どこかの禅寺に座禅を組みに行こう!)

と心躍らせています。

次の9巻を見てみると、「アジア主義」
目次を見ると、大川周明だのビハリ・ボースだの内田良平だの、
右翼界でなじみのある面々が・・・

大拙さんの心静かな清浄な空気に満たされている心が、
ざわざわと騒ぎ出す。


解説「鈴木大拙論」/増谷文雄

【禅の基礎概念】
「禅とはなにか」
「悟り」

【禅の生活】
「禅の問答」
「禅堂の修行と生活」

【禅と日本文化】
「禅と茶道」
「禅と俳句」
「禅と日本人の自然愛」

【東と西】
「現代世界と禅の精神」
「自由」
「ヘリゲル『弓と禅』への序文」
「西田幾太郎『善の研究』への序文」