『ぼく啄木』陽羅義光
2008年2月19日 22:23:48
原稿を一本書いた。
メールに添付して送った。
校正は明日か。
もう一本書くつもりで
頭を切り替えるために、読書を始めてしまったら、
読書に夢中になってしまった。
現代日本思想大系を読み進めながら、
同時に、「天皇と東大」の下巻。
そして、ちょっと息抜きに日本の推理物。
7時間くらい読んでいたか。
読んでいるうちに、いろんなことを思いつく。
そうだ、今度の公演の宣伝の資料を作らなきゃ。
そうだ、親に言われていたことを調べなきゃ。
そうだ、手紙を書くんだった。
そうだ、チケット販売管理のシステムを進めるんだった。
そうだ、来月までの予定を組んでおかなきゃ。
そうだ、それよりも脚本を書かなきゃ。
そうだ、劇団員に指示することがあったんだ。
そうだ、バイトの予定をどうにかしなきゃ。
そうだ、そうだ、そうだ、と。
そんな事事を思いつつ、3冊の本を読んだ。
夕方、仕事の体勢になり、机に。
と、目に付いた一冊の本。
『ぼく啄木』
陽羅義光
著者陽羅義光さんにいただいた本。
全作家協会の理事長さんです。
昨年いただいていた本書。
読んでいなかったわけではなくて、
巻頭の十数ページを読み、心が痛くなり、中断していた本でした。
帯には、
「文学とは何ぞや。
人間とは何ぞや。
啄木生誕120年記念出版」
とあります。
扉に一行・・・
「詩人はまず第一に「人」でなければならぬ―石川啄木」
石川啄木の詩を丹念に取り上げながら、
石川啄木の人生を追い求めています。
独特の構成。
そして、一つ一つの言葉が突き刺さります。
それは、啄木の詩もそうなのだけれども、
それ以上に、
「ぼく啄木」と始まる各段落の短いながらも
人間の本性を見せ付ける言葉。
次は、何だ・・・と、恐怖にも似た感じを感じながらページをめくりました。
読みながら深呼吸をしなければ、
呼吸を忘れてしまう。
読みながら、室内を見渡さないと、
世界を忘れてしまう。
読みながら、息を止めないと
我を忘れてしまう。
仕事に取り掛かる前に、
読んでしまった、一冊。
石川啄木と陽羅義光。
脚本を書くんだった・・・