『アジア主義』【現代日本思想大系9】編集・解説/竹内好
2008年2月24日 01:05:35
いつもの書店にいつものように顔を出し、
と、なにやら段ボールがたくさん積まれている。
何だ、何だと見てみると、
「もやしもん」と書いてある。
6巻が発売されて、
ついでに大きなヌイグルミも発売されたよう。
中身は見れなかったけれど、
(ヤツだな)とあのかわいげな菌のやつを思い浮かべる。
いつもの書店の中をいつものコースで徘徊。
どうも昨日までと違う。
あちこち陳列を変えているようだ。
ドストエフスキーが売れているのか、
この書店が売ろうとしているのか、
特設コーナーができている。
「カラマーゾフの兄弟」「罪と罰」なんかは、
出版社の枠をこえ、
新潮文庫版、光文社版、それに、漫画まで一緒に。
「罪と罰」もしかり。
それに、ドストエフスキー研究関連の書籍もずらりと。
亀山郁夫、江川卓、秋津太郎、大江健三郎、
おまけにユリイカまで。
お馴染みの研究書が並んでいる。
そういえば、友達二人も現在「カラマーゾフの兄弟」に取り組んでいるな。
「カラマーゾフ」か、
来年は、ゆっくりとドストエフスキーと埴谷雄高に取り組みたいなあ。
そう思いながら、「もやしもん」を購入。
さて、公演に向けての準備に忙殺されながらも、
びっくりするくらい本を読む。
鈴木邦男さんに負けないように、本を読む。
勝ち負けでは全然ないけれど、
「あれ読んだ?」「これ読んだ?」と聞かれ、
読んでいないと、
なんだか、悔しい・・・
なんだか、悔しいので、言われた本はがむしゃらに読む。
現在進んでいるプロジェクト「鈴木邦男」の
【日本思想大系】に追加して、
最近では、『天皇と東大』、そして、
先日届いた全14巻の『人間の運命』
『天皇と東大』は、現在下巻半ば。
『人間の運命』は、これから。
今日、読み終えたのは、
『アジア主義』
【現代日本思想大系9】
編集・解説/竹内好
アジア主義です。
その言葉は、もちろん知っていたし、
概念も分かっていたつもりだった。
けれども、正確な定義は?と聞かれると、
答えに詰まっていただろうなあ。
と、思いながら読み始めた「アジア主義」
やはり、その定義から解説されています。
けれども、
「アジア主義」を正確に定義するのは難しい・・・
として、東亜主義、膨張主義、大東亜思想まで含めて
時局的な考え方として編集されていました。
確かに漠然とした思考だなあ、と思いつつ、
とらえどころが難しく、
竹内好の解説から始まります。
その解説は、アジア主義の定義から大状況概略。
で、最初の論文が、岡倉天心。
えっ?岡倉天心がアジア主義?と思うわけです。
芸術家でしょ!という印象なわけです。
論文を読むと、わからなくはない。
「アジアは一つ」という文明論です。
んでもって、宮崎滔天の有名なあれ。
頭山満がでてきたり、
ビハリ・ボースが出てきたり、
内田良平に大川周明。
なんというか、大右翼連合と言うか
拡大右翼主義というか、
なんだか、おもちゃ箱みたいで楽しい本でした。
アジア主義なんで、右も左もないのだけれども、
右贔屓目で読んだりしてるので、
感情が振幅したり。
『天皇と東大』の上巻から下巻にかけてのあたりが、
大正から昭和にかけてで、
血盟団から神風連。
そこに登場してくる頭山翁や大川周明。
いろんな本であれやこれやがリンクして、
頭の中が賑やかです。
さて、現代日本思想大系は、9巻を終えました。
で、ここで一旦小休止して、
鈴木さんに許可された『人間の運命』を一気読みしてみます。
一気読みとはいえ、14巻の大物。
楽しみがこんなに。
解説「アジア主義の展望」竹内好