『あの戦争は何だったのか』 保阪正康

2006年7月15日 23:20:06

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自分の住む東京練馬区は、
都内でも有数の「暑い」地域のようです。
連日、ニュースで、
「東京練馬区では、最高気温・・・度を記録し・・・」
と一方的に告げられます。
告げられたところで、
涼しくもならず、
大騒ぎをしたところで、太陽のエネルギ放射は止まりません。

『あの戦争は何だったのか』
保阪正康

さて、昭和史研究の第一人者です。
名著を多く世に問われている方です。

そして、本作も名著!
帯には、

「天国への道を知る最良の方法は、
地獄への道を探求することである、
とマキアヴェッリは言ったが、
戦後の日本人はそのことをしてこなかった。
この本はそれを教えてくれる」
太平洋戦争の総括なくして、
どうして平和が語れるのだろう?
また、日本は何を反省すればいいのか?
この本にはその答えがある。

非情なまでの客観視点と、
善悪という単純な二元論を排し、
正確で精緻で冷静な
唯一無二の「あの戦争」論です。
おすすめです。

現在までも残る多くの問題。
例えば、靖国問題。
例えば、核問題。
例えば、侵略という問題。
例えば、東京裁判論。
例えば、軍部独走論。

「あの戦争」が遺した多くの問題について、
本書は、冷静に分析します。

そして、答えの一歩手前で確実な表現をもって
読者に読者なりの答えを得られるように
静止しています。

その静止の姿は、
今後の日本の一つのモデルなのかもしれません。

おすすめです。