コトバは餌をめがけて飛んでくる
2008年9月12日 22:32:35
10年以上も使ってきた万年筆。
ウォーターマンの今は絶版の細身のペン。
ペン先を調整し、気に入って使っていたのだけれども、
どうもなんでか最近、フィットしない。
人差し指に軽い負担がかかるようになった。
昔に比べ何が変わったか、考えてみる。
筆圧は変わっていない気がする。とても軽いほうだろう。
筆圧が軽いから万年筆じゃないとどうしようもない。
原稿用紙も変わってない。書いてる文字も日本語だ。
書く速度か?
速度が変わってきたのかもしれない、と思い至る。
そうかもしれない。
早くなっている気がする。
その速度がペンとのバランスを崩しているのかもしれない。
先日、東武デパートの文具店で一本の万年筆を試した。
モンブラン。万年筆の王様。真っ黒のボディ。
太い。威圧感がある。手にすると見た印象そのままで、重く感じる。
重く感じるけれども、書いてみると、
楽だ。
ペン重量と自分の筆圧と、書く速度。これらのバランスが良い、気がした。
そんな気がしたけれども、高くて買えなかった。
マイシュターシュテック149
隣のガラスケースを覗くと同じくモンブランの限定品が。
ショルティモデルやカラヤンモデル。
とんでもない値段。
何の限定だ!と笑ってしまう。万年筆は完璧に機能しさえすればいい。
快適に書ければそれでいい。
その日、一時間もいろんなペンを試す。
国産の廉価版から有名メーカの様々なモデル。
太さと重量に的を絞り、試しに試す。
やっぱりモンブランだった。
今日、体調不良をおして体を動かしてみた。
汗をかいてきた。
腰に力が入らないけれども、無理をすればなんとかなってきた。
疲れて夕方帰宅。
机に広げられている原稿用紙に目がいく。
その上に乗っかっている青いボディの万年筆。
書くか。
声に出してみる。
コトバが「にゃ」と鳴いた。
おなかをすかせているのか。
餌を用意すると飛んできた。