コトバと唐獅子牡丹と万年筆
2008年9月14日 02:08:30
稽古から戻り、健さんを観た。
「親にもらった 大事な肌を墨で汚して 白刃の下で〜」と歌いながら、観た。
高倉健の何に惹かれるんだろう、と考える。
池部良の何がかっこいいか、考えてみる。
考えてみるが、全然考えてない自分。
目の前の健さんに首ったけ。
かっこいいのに理由なんかない。
惹かれるのに理由なんかない。
背後の止まり木からコトバも観ている。
「昭和残侠伝唐獅子牡丹」
一緒にのんびり唐獅子牡丹。
一週間のうちで唯一、頭を冷ます時間。
今日、稽古場であべあゆみに原稿を渡した。
この一週間で書いたのは、20数枚。
今、この時間、あべあゆみが入力をしてくれているはず。
そのファイルが返ってきて、また一週間が始まる。
明日からに備えて、万年筆を手入れする。
残り少なくなったインクを抜き、水を通す。分解して丁寧に拭く。
手に合わなくなってきている。
その理由を探そうと、万年筆とにらめっこ。
「唐獅子牡丹」は、ラストシーンを迎える。
コトバの奴も一心に見ている、気がする。
画面では、高倉健と池部良が雪の落ちる中一つ傘。
長ドスを握り、流れる曲は「唐獅子牡丹」
「積もり重ねた 不孝の数をなんと詫びよか オフクロに
背中で泣いてる 唐獅子牡丹〜」
一緒に歌う。
振り返り、コトバを見ると「キュキュ」と鳴いて、細くなっていた。