心配してるのか、遊びたいのか、腹がへったのか
2008年10月4日 22:17:58
新作『スーザンナ・マルガレータ・ブラント』も大詰めにきた。
ラストシーンを迎えている。
書き始める前に、
ある朝フラッシュした無数の画。
劇団再生の劇団員がフラッシュする。
可能性も不可能性も一気に跳躍してしまっているフラッシュ。
頭の中に住み着いた無数の画。
その画を見ていて、それを言葉に脚本にすることができないんじゃないかと
感じていた。
書くのが嫌だった。書けないと思った。
真珠を量る女を言葉で全て他者に伝えられるだろうか。
座る女を完璧に言語化できるだろうか。
赤い花と乳房を言葉で見せられるだろうか。
オフィーリアを言葉で再現できるだろうか。
ゲルニカを受胎告知を麗子座像を。
そんな恐怖を味わっていた。書き始めた。
一枚目を書くのに何枚原稿用紙を反故にしたか。
10枚書ければ、先に進める、と思っていた。
10枚までが勝負だと思っていた。
ラストシーンまで来た。
疲れ果てて布団にひっくり返るとコトバがやってきた。
髪の毛をつかみ、ひっぱる。
どこかに連れて行ってくれるのか、餌と間違えているのか。
目を閉じると、眉毛をつつきはじめた。