見沢ママから白いふくろう君
2008年12月3日 22:31:28
見沢知廉さんのお母さんから、劇団再生にお菓子の差し入れ。
たくさんのお菓子が稽古場を彩り、
劇団再生のアリバイを証明していく。
お菓子のある稽古場こそが、劇団再生だ。
お菓子がなければ、稽古は中止になる。
アリバイを崩すことが不可能になるからだ。
見沢ママから、たくさんのお菓子の差し入れ。
その荷物の中に手紙と小さな包み。
開くと、しろいふくろう君がいた。
手紙を読む。
稽古場に入る前に読んだ。
見沢ママの顔が浮かぶ。
そして、自分の母を思った。
何年前だろう。
母と一緒に、SIONの「街は今日も雨さ」を聴いた。
16の夜、家を出た
おふくろは行くなと泣いた
そんな歌いだしの曲。
母は、その歌に何かを重ねたのかもしれない。
その歌の最後に、SIONは
雨の中、公衆電話からおふくろに電話をかける場面を歌う。
そのくだりを聴きながら、母は、泣いた。
稽古場に入る前にそんなことを、思った。
見沢ママの手紙を何度も読んだ。
小さな白いふくろう君。
そのふくろう君と一緒に小さな紙片。
それには、ふくろう雑学が書かれていた。
古代ギリシヤ・・・女性アテネの従者として知性と学芸を象徴する鳥
現代ギリシヤ・・・世界最初のコインの図柄がふくろうです
古代ローマ・・・女性ミネルバの従者として学芸のシンボル
オーストラリア・・・女性・原住民の守護神
日本総理官邸・・・四角屋根に八羽のふくろうが守っています。
北海道のアイヌ・・・ふくろうは守護神(コタンコロカムイ)神様として扱われる
見沢ママからやってきた白いふくろう君。
ちいさなそいつを手のひらに乗せ、ほーほーと鳴いてみた。
荷物の底に、本が入っていた。
手紙にそれが触れられていた。
見沢さんが千葉刑務所獄中で読んだ本。
ぼくが本ばかり読んでいることをしっている見沢ママが
「こんな本はお読みになるかしら」と。
分厚い思想書だ。
レーニン・トロツキー・スターリン。
完全に左側、ばりばりの左側、本家本元の左っかた。
そうだ。
見沢さんは、左から右にいったんだ。
そして、行き着いたところは、右も左もないという
当然至極当たり前の場所。
レーニン・トロツキー・スターリンか。
上下2段組700ページを超える大著。
読むか。
右も左もどこへでも歩ける足で、読むか。
ぱらぱらとページをめくってみる。
そして、最後のページを見る。署名がある。
348 高橋
見沢さんが獄中で呼ばれていた番号だ。
348番