コトバという名のふくろうと長い長い歴史の石と稽古
2009年3月12日 23:37:57
ごつごつした石。
前にいただいたものだ。
しっかりとした黒檀の台座に据えられている。
稽古、と言う。
毎日何度も口にする。言葉に書く。稽古。
ほうぼうへの手紙にも、「稽古を重ねて、」と書く。
今日も手紙を書いていた。
稽古、と書こうとして、稽草と書いた。単なる間違い。
拝啓草々と常に書いているからか、草、と書いた。
書いた草の字をぐちゃぐちゃと消した。
稽の字一文字。
それを見て、はたと思った。
この字は、訓読みで「かんがえる」だ。
古きを考える。古きを思う。それが、稽古の本来の意だ。
古きとはなんだろう。
連綿と続いてきた歴史であるし、
その中で培われてきた形・型・スタイル・フォルムだ。
それを、思う、考える。それが稽古。
たしかにそうかもしれないな、と思った。
稽首という言葉もあるな。頭を地につけ、ひたすらに祈り、或いは教えを請う。
稽の字一文字
失敗した便箋をくしゃくしゃと丸めて捨てた。
稽古、と毎日口にする。
古きを考える。歴史を思う。
自分の歴史。
生まれてきて、今ここにいる歴史。
それを思うこと、それを考えることが、稽古か。
歴史ある石の横にコトバのやつがやってきて、
ほー、と鳴いた。