佐渡裕『マーラー:交響曲第5番』が真夜中に脳を直接揺さぶる

2009年6月28日 01:30:53

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稽古場で思いついて、マーラーの5番をかけた。
そして、真夜中、本気で聴きたくなった。
たくさんの人が振り、演奏している。
インバルもカラヤンもシノーポリも、アバドもメータもフルトベングラーも、
小澤征爾もショルティも、テンシュテットも、思いつくだけでもたくさんだ。
稽古場でかけたのは、フルトベングラーの振ったもの。
真夜中、高田馬場、

どの盤にしようかと悩みに悩み、これにした。

佐渡裕のマーラー5番。
破天荒だ。やりたいようにやっている。これほど自由なマーラーもないだろう。
オーケストラ全体の調和は、カラヤンやショルティが上だ。
音のバランス感覚は、シノーポリやメータのほうが美しい。
けれども、

力強さや、やりたいようにやってんだ! という奔放な美しさは、彼らにはない。
日本人の佐渡裕が恐るべき自由度でマーラーを振る。

タクトを振るのが楽しくて仕方ないようだ。
オーケストラに囲まれて、彼らを感じるのが嬉しくて仕方ないようだ。

生き生きと晴れ晴れとそして、
何も思い残すことがないかのように、振る。

ヘッドホンから直接脳に音を響かせる。
心地よい音量を越えて、ボリュームを上げていく。
佐渡裕は大音量でこそ聴くべきだ。