そりゃまあいい天気だ。見沢さんの墓参り。

2009年8月14日 23:46:31

写真

見沢さんのお墓参り。今日しか時間がないな、と思っていた。
(雨、降らないかな)と、実は願った。
見沢さんのお墓が雨に濡れ光る姿を見たかった。

見沢さんを追えば追うほど、雨のイメージがまとわりついてくる。

雨降らないかな、と、願った。
けれども、一滴の雨が落ちることもなく、太陽中天晴天。
昨日から急に食欲を失い、(こりゃ夏バテか・・・)と用心していた。
朝起きて、ころすけ君(市川未来)から渡された大量の原稿に手を入れ、
よし昼か、なんか食べた方がいい、と理性ではわかっていても、食欲は全くない。

ままよ、とお墓参りに出かけた。

本駒込の駅から、(ありゃりゃ、体力が薄くなった)と肉体を分析しながら、
のろのろとお寺さんへ。
墓所に着いたときには、エネルギー0。

見沢さんのお墓の前に座り込み、1時間、のんびりと見沢さんと話をした。
「見沢さん、」

「見沢さん、」

と、語りかけ、声を聞く。
見沢さんに、「今日は疲れた顔をしてるね」と言われた。
そりゃそうだ。来週は本番だ。それに、

「見沢さん、ぼくはあんたを飲み込んだんだ。そりゃ疲れるよ」
「俺を飲み込んだ?」
「うん、飲み込んだ。丸飲みだ」
「俺は、うまいだろ」
「うまいもまずいもない。小骨だらけだ」
「そうか、小骨はとってなかったからな」
「でしょ! 見沢さんの小骨がぼくの体内のあっちに刺さり、こっちに刺さり」
「そりゃ疲れるな」
「でしょ!」

いつも見沢さんに質問することがある。
今日も、それを聞いてみた。
答えは、返ってこなかった。

「じゃあ、また来ます」

墓所をあとにするとき、
首に「大観音」と札を下げた真っ黒なネコが足元にやってきた。
ぼくを見上げ、ぼくと目が合った。
「大観音」は、すぐに興味をなくしたようで、のろのろと歩いて云った。

見沢さん、あなたは誰の為に書いたのですか。

ぼくも書いています。