脚本が書きあがった

2009年10月25日 22:54:58

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『空の起源〜天皇ごっこ〜』、脚本が書きあがった。

ドストエフスキーが「一切はゆるされる」と書いたその一切とは何か。
太宰治が「一切は過ぎていきます」と書いたその一切とは何か。
親鸞が唱えた「一切はゆるされる」という観念の一切とは何か。

ここ数年、そんなことを考え続けていた。
避けて通ってきたわけではないけれど、興味が向かわなかった方向へも読書を進め始めた。
その手始めが、第三帝国、ナチズム、ヒトラー、ゲシュタポ。

一切、の意味がわかるかどうか、
ぼくは、この方法しか知らない。本を読む。自分を読む。
本を読む。あなたを読む。本を読む。ぼくを呼ぶ。
本を読む。あなたを呼ぶ。

演劇は、芸術というせまっ苦しい場所を越えなければならない。
見た目ばかり華やかな芸術という衣を脱いで、
止揚の果ての裸一貫。

一切は、止揚されねばならない。

脚本が書きあがった。

そして、劇団再生のモバイルサイトも出来上がった。
友人K&K氏の協力のもと、劇団員宮永歩実が作った。

http://engeki.ne.jp/saisei/

ここに携帯でアクセスすれば、
携帯用に作られた各種コンテンツが閲覧できる。
「高木さん、携帯サイトを作りましょう」と提案を続けてきた宮永歩実は、
こうして、自ら携帯サイトを作りあげた。

そして、ぼくは脚本を書き上げた。
30分の小品だ。
けれども、

ここ数年考え続けてきた「一切」という観念の一つの解へ向かう、
一歩目の作品だ。

さあ、来週から稽古が始まる。
休まずに続けられていく劇団再生の稽古。
休まずに繰り広げられる劇団員の息吹。

脚本は書きあがった。

さあ、稽古だ。