映画撮影に参加し、また思考パーツに一つの回路が接続された。同時にまたいくつかのホットプラグを無造作に引き抜いた。肉体が疲労困憊しているのに、頭の中が熱を帯び、ままよ、コナン君をセットした。
2009年12月5日 23:22:53
大浦信行監督が現在撮っている映画『天皇ごっこ・たった一人の革命』の撮影に参加してきた。
ロケだ。
午前中は明るかった空もお昼前から曇りだし、
午後は雨。
寒さ厳しい中、撮影スタッフの熱意に惚れ惚れし、
その動きに憧れ、
撮影に参加してきた。
参加するために、髪の毛を切った。
昔のメモ帳が出てきた。
ひょっこりと出てきた。日付を見ると、12年ほど前だ。
芝居を観たときの感想が書き付けてある。
どの劇団のどんな芝居かは、定かではない。
メモの断片。
物語を作るのか、思想をつくるのか
演出家の理想的な完成形はどんな形だろうか
方法論が見えるのはすでに演劇ではない
恋愛ごとは演劇にはなりえない
ぼくの隣には言葉がいる
エロスとタナトスの中にしか存在し得ない
演出家は俳優を愛してはいない
これは舞台だろうか、と問いが立つことが問題
と、そんな事ごとがメモしてある。
芝居を観ながら暗闇で手探りでのメモだ。
今となっては何がなんだかわからない。
脈絡もない。どの芝居だか思い出せもしない。
映画撮影から、その足で稽古場へ。
今日は土曜日だ。劇団再生の稽古の日。
劇団再生を証明できる週に一度の日。
雨だ。
雨の中を劇団員が集まってくる。
稽古こそが劇団再生の理由であり、その理由が証明される稽古場。
劇団を維持運営するための膨大な仕事を手分けして進める劇団員。
仕事の進捗が報告され、これからの予定が話し合われる。
週に一度の劇団再生証明の日。
稽古が終わると雨は上がっていた。
ぶらぶらと歩いて帰宅。
片手にパソコン、片手にスピーカ。
ぶらぶらと歩いて帰宅。
こんなに体が疲れているのに、頭の中は熱いままだ。
熱い。頭の中を電子がスパークしている。
本能のレベルでスパークしている。
ちくしょうめ、と形而下のいくつかのケーブルを引き抜いた。
邪魔だ! と、形而下のいくつかをひっこぬいた。
これまで黙ってつないでいたけれども、
いい機会だ。まとめていくつか引っこ抜いた。
引っこ抜いた手で、コナン君を見始めた。