ふくろうは餌をねだる。毎日おなかをすかせてぼくを呼ぶ。
2010年1月7日 23:10:51
やばい、と思った。
いつもの時間にいつもの場所に座り込んで脚本を書いていた。
どうにもこうにも遅々と進まない筆に自身呆れながら、書いていた。
書いたところまでを読み返す。
2時間かけて何度も読み返した。
見えている画に近付いているか。
道を踏み外していないか。
その道の上に今も立っているか。
何度も何度も読み直した。
糸口は見えている。確かにここ数日きちんと見えていた。
見えていたのに、筆が進まない。
何故か、それを書くことを拒んでいた。
それが何故か、やっとわかった。
やばい、と思った。
この脚本が稽古に、本番に、間に合うとか間に合わないとかの問題じゃない。
この脚本は、終わりがない。やばい。それは、やばい。
どこにも終わりが見出せない。
3時間かけて、原稿用紙、一枚、書いた。
その一枚を2秒で破り捨てた。
背後でコトバが、にゃーと鳴いた。
えさをくれ、えさをくれ、とにゃーにゃー鳴いた。
今、
万年筆を絵筆に持ち替えることができたら、と渇望する。
400字詰の原稿用紙を1000号のキャンバスに取り替えられたら、と熱望する。
ただ、ぼくは絵が描けない。
今日、メフィストがやってきたら、間違いなく絵描きの才能を望むだろう。
破り捨てた一枚の原稿用紙をベッドの上に投げてみた。
えさだと思ったのか、コトバがそれに飛びついた。
3時間、ここに座り続け、時間と共に増す頭痛にイラつき、
言葉という言葉にイラつき、
今日もまたあちこちのケーブルを引っこ抜いた。
二度と繋ぐものか、と引っこ抜いた。