そんなに言葉は強いか

2010年3月22日 23:09:20

本、というと、みんなが書籍を思い浮かべる。
疲れた、というと、疲れていると思われる。
一人、というと、一人を思われる。
誰か、というと、ぼく以外の誰かを想像される。
言葉、というと、あれやこれやの単語を連想される。

(そりゃそうだけどさ、)と読点付の苦笑を口の端に。

そりゃそうだけどさ、
そりゃそうだけどさ、

でも、爆破、というと、それは何かの比喩だと思われる。
革命、というと、それは一つの理想だと思われる。
テロリスト、というと、それは個人の観念だと思われる。
殺すだの、殺せだの、いいだろう、というと、それはやっぱり暗喩だと思われる。

(そりゃそうだけどさ、、、、)読点複数・・・

そりゃそうだけどさ、そうなんだけどさ、あのね、いいかい、
ぼくは何一つ問題を出してはいない。そうだろう。そこんところは同意してもらえるかい?
ぼくの「言葉」を「問い」にしてしまったのは、世間というあなただ。
あなたが世間に居る限り、ぼくの「言葉」は言葉としての機能を果たさない。
あなたが世間をあなたから切り離さない限り、そうだ。
或いは世間があなたを切り離さない限り、ね。
という一つの提案さえ一蹴かい? 世間! あんたは、強い。そりゃ強い。
ぼくが殴り続けてもびくともしない。
そりゃ強いに決まってる。だって世間だもんね。
それにしても、いつの間にそんなに強くなったんだい、世間。
世間ってのは、そんなに味方がいっぱいいるのか。いいね。羨ましいよ、本とに。
ぼくだって世間と闘うにはそれ相応の準備だの体制だのが必要なんだ。
武器だの味方だのね。
そんなことを考えてた矢先だったな。
先手必勝か、世間。なるほど、そうだ。

ぼくの準備が整う前にそんな攻撃か。
いいだろう。
武器はまだない。味方も、いない。
いや、正確に居ないってこともないんだけど、まだ潜在なんだな。
それに、おまえと戦う味方になってくれなんて、口が裂けても言えないし。
恥しくって。
いつの間にかいっしょにお前をぶっ飛ばしてた、ってのが理想的な味方だな。

そりゃ欲しいさ。味方はね。
今までみたいに、お前を殴りはしない。
暴力に訴えるのはもうやめだ。殴ればぼくの手のほうが痛い。
また小指を骨折してしまうってもんだ。

ぼくの言葉は、言葉だろうか。
ぼくの言葉は、言葉だろうか。

もしかしたら、ぼくが言葉だと思い、自信満々で使ってきたこやつらは、
世間にとっては言葉じゃなかったのか?
そうなのか?
それだけでも答えてくれないか。
言葉だ言葉だ言葉だとぼくが叫んできた時間は、世間、お前に聞いてるんだ。
言葉じゃなかったのか? 時間じゃなかったのか?

じゃあ、言葉ってのは何なんだ。
大丈夫。具体的な言葉と共に論理的な構築はできている。
心配すんな、破綻してるわけじゃない。
より正確に書こうとしているだけだ。
これらが言葉じゃないとすれば、言葉はどこにいるんだ?
なるほど、それを教えることは世間、お前の敗北につながるというんだな。
そりゃそうか。
論点は、そこだ。

それにしても世間、お前は強くなったなあ。
いつの間に? ほんとにいつの間? だ。
もしかしたら、お前がほんとうの言葉を手に入れたというのか。
それならわかる。
真の言葉と偽の言葉。
闘い続けりゃ真が勝つに決まっている。
最初のうちは偽が優勢だろうけど。そうか、その優勢にぼくは錯覚したのか?

勝利している! と。

なんだ、それならそんなにかっこ悪いこともないな。
と、書きながら答えは、出た。
やっぱり書くより、思考の方が早いな。

なるほど、言葉は強い。強いな、言葉。